「年収の壁」を巡る合意書に署名した高市首相(右)と国民民主党の玉木代表=18日午後、国会
 「年収の壁」を巡る合意書に署名した高市首相(右)と国民民主党の玉木代表=18日午後、国会
 「年収の壁」を178万円に引き上げることで合意し、記者団の取材に応じる自民党の小野寺税調会長(中央右)と国民民主党の古川税調会長(同左)=18日午後、国会
 「年収の壁」を巡る高市政権と国民民主の立場

 自民、国民民主両党による「年収の壁」協議が決着した。高市政権は来年1月召集の通常国会を見据え、最優先課題となる2026年度予算成立には国民民主の協力が欠かせない。せめぎ合いの結果、国民民主が看板政策として掲げ続けた178万円に引き上げる「満額回答」で応じざるを得なかった。財源論は置き去りにされ、市場の信認低下を招きかねない。

 ▽ゴーサイン

 「多くの納税者にとって手取りの増加が実現する」。高市早苗首相は18日、国民民主の玉木雄一郎代表との会談後、年収の壁引き上げの効果を記者団に説明した。26年度予算にも触れ「しっかりと協力していきたい」と期待を込めた。

 玉木氏は「首相の政治決断に敬意を申し上げ...

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