帰宅困難者のために開放された東京国際フォーラムで休む人たち=2011年3月12日未明、東京都千代田区
 帰宅困難者のために開放された東京国際フォーラムで休む人たち=2011年3月12日未明、東京都千代田区
 東日本大震災の影響で電車などがストップし、歩いて帰宅する人たち=2011年3月11日、東京都世田谷区
 木造住宅密集地域に設置された防災井戸=8月、東京都墨田区の京島地区
 東京都墨田区京島地区の木造住宅密集地域=8月
 7月のロシア・カムチャツカ半島沖地震に伴う津波警報が発令され、神奈川県鎌倉市議会の議場へ避難した観光客ら(鎌倉市提供)

 12年ぶりに改定された首都直下地震の被害想定は、被災に伴う深刻な姿を再び突き付けた。耐震化や防火が一定程度前進したものの、東日本大震災当時を超える規模の帰宅困難者の発生を予想。過密首都の脆弱性が浮かんだ。高齢化、外国人の増加といった社会変容もあり課題は山積している。

 ▽火災リスク

 東京スカイツリーにほど近い東京都墨田区京島地区。関東大震災、東京大空襲を逃れた木造住宅密集地域が広がる。墨田区の森崇紀主査は「消防車が入れない細い道も多い」と明かす。

 戦後、JR山手線の外周に木造住宅地が数多く形成された。防災上の懸念から都は対策を推進。2012年10月時点で都内に1683ヘクタールあった危険な密集...

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