
点検業務入札の談合の対象となった跨線橋。JR東海道線と中央線をまたぐ尾頭橋(上)=名古屋市(公正取引委員会提供)
跨線橋の点検業務の入札で、公正取引委員会はJR東海による受注調整を認定した。高度経済成長期に構築されたインフラの老朽化が進む中、鉄道網を維持すべき大企業が談合の中心的役割を果たした形だ。識者は、なれ合いが業務の質を低下させ、危険性が見過ごされて大事故を誘発する恐れもあると指摘。JR東海の行為が国民に重大な損害を生じさせたと批判した。
▽独占
「利益を求めてやったわけではない」。公取委の判断に対し、JR東海の幹部は反論を強めた。中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、国は2014年から跨線橋などに対する5年に1度の点検を義務化。幹部は「時間的制約がある中で完了させるため、やむを得ず受注...
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