日本医療安全調査機構のセミナーで登壇した(左から)調査機構の宮田哲郎常務理事、千葉県がんセンターの加藤厚病院長、NPO法人架け橋の豊田郁子理事長=11日、東京都港区
 日本医療安全調査機構のセミナーで登壇した(左から)調査機構の宮田哲郎常務理事、千葉県がんセンターの加藤厚病院長、NPO法人架け橋の豊田郁子理事長=11日、東京都港区
 医療事故調査制度の認知度
 医療事故調査制度の流れ

 医療機関で発生した死亡事故の原因を究明し、再発防止につなげる医療事故調査制度が始まってから10年がたった。この間、医療機関から報告された事故は3500件余り。毎年300~400件ほどで推移している。ただ、複数の報告実績を持つ病院がある一方で一度も報告がない大病院も数多く、制度に対する意識の温度差が指摘されている。関係者は「事故を適切に報告する体制の強化と、国民への制度周知が課題だ」と話す。

 ▽予期せぬ死亡

 医療事故調査制度は医療法に規定され、全ての病院、診療所、助産所を対象に2015年10月にスタートした。制度創設の背景には、1999年1月に起きた横浜市立大病院の患者取り違え手術事件や、同2...

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