
オンライン署名を提出し、記者会見する水戸部ゆうこさん(左)=23日、厚労省
政府は高額療養費制度の月々の負担上限額引き上げを決めた。当初の見直し方針が全面凍結に追い込まれてから9カ月半。年間上限額を新設するなど配慮策を加えたと強調し、理解を得たい考えだ。しかし、負担増を再び求める内容に「治療を続けられるのか」と患者の不安は尽きない。患者にとって「命綱」とされる制度の維持に向け、負担の在り方を巡る「不断の改革が必要だ」と専門家は指摘する。
▽断念よぎる
「子育てをしながら治療を続ける私の状況は想像に入っていない」。血液がんの慢性骨髄性白血病の女性(30)=神奈川県=は、昨年始まった引き上げ議論に言葉を失った。治療継続の断念も頭をよぎった。
共働きで長女(2)を育てる。...
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