
「尋常小学算術」の教科書
80年以上前、戦前の小学校で使われていた「尋常小学算術」は、異色の教科書だ。文章がなくイラストのみで構成されたページや、生活に身近なデータから考えさせる問題など、現代にも通じる内容。子どもだけでなく教師にとっても有意義な教科書を、専門家は「考える力を育ててくれる」と評価する。
1935(昭和10)年から42(昭和17)年にかけて使用された尋常小学算術は、国が編さん、発行した国定教科書。装丁の色から「緑表紙」とも呼ばれ、文部省図書監修官(当時)の塩野直道が中心となって手がけた。
1年生の上巻は子どもが玉入れをする様子や動物などが描かれているだけで、文章は一切登場しない。初めて算数に触れる子ども...
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