
出島のオランダ商館の様子。輸入品の検品や輸出品の荷出しをしている(長崎歴史文化博物館蔵)
鎖国政策下の江戸時代。長崎は、西洋や中国との唯一の貿易港だった。その長崎で、日本人の立ち入りが厳しく制限されていた出島のオランダ商館や唐人屋敷に、50年以上も自由に出入りし、その様子を克明に描いた画家がいた。
長崎絵画界の巨匠・石崎融思だ。彼の代表作は「唐館図蘭館図絵巻」。1800年ごろの唐人屋敷や新地蔵(現在の新地中華街)、出島の活気ある様子を生き生きと描いている。写真技術のなかった時代に、長崎の町人や役人と“異人たち”との交流を写し取ったビジュアル記録だ。
絵巻を所蔵する長崎歴史文化博物館の学芸員は「かわいらしくユーモラスに描かれている唐人や町人、オランダ人の相互交流の様子を見て、中国や...
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