
稲谷芳文・宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授
米航空宇宙局(NASA)の宇宙船に乗って月を回った宇宙飛行士4人が地球に帰ってきた。日本も参加する「アルテミス計画」の一環で「アルテミス2」と呼ばれる。次の「3」は2027年に地球周回軌道で月着陸船との飛行試験、さらに28年以降の「4」で有人月着陸へと進める計画だ。
アポロ11号による1969年の人類初の月着陸から半世紀以上。今回の飛行は軌道が異なるが、68年に月を10周したアポロ8号に相当する。その後9号、10号と試験飛行を重ね、11号の月着陸本番までわずか7カ月。さらに最後の17号まで6回の飛行は3年半のうちに行われた。そのスピードと技術力は圧倒的だった。
アポロ計画の動機は米ソ冷戦であ...
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