
(絵:100%ORANGE)
春は引っ越しのシーズン。荷物の重みに腰をいためるひとが急増する。
ぼくもぎっくり腰の記憶がある。30代のとば口、ふだんの不摂生がたたったんだろう、ある朝めざめると、腰の芯にずれたような感覚をおぼえた。立ち座りのたび、めまいがするほどの痛みが全身をつらぬく。
エレベーターがのぼりはじめた途端「ああっ!」と悲鳴がもれる。タクシーの軽いブレーキに「ううっ!」と前のめりで涙ぐむ。
3日後、外国での仕事がはいっていた。ジャマイカで超大物レゲエシンガーの元奥さんに生前の思い出をインタビューするのだ。
激痛をこらえ空港にたどりついた。とにかく神経をまひさせることだ、と、出発前にウイスキーを3杯のんだ。離陸した機内...
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