
(絵:100%ORANGE)
ジャマイカでのインタビューの仕事は、いろいろな事情がかさなってキャンセルとなった。自腹で滞在するならどうぞご自由に、と出版社にいわれ、ぼくはキングストンの安宿でのんびり過ごすことにした。
10日目の朝、市場でとれたてのリンゴを1個買った。店のおじさんが、背後の山を指さし、あの上にミック・ジャガーの別荘がある、ミックはいまはいないが、酒もタバコも食べものもプールも、やってきたものみんなにフリーで提供している、といった。
暇をもてあましていたぼくは山道をのぼりはじめた。とちゅうから、黄色いシャツを着たこどもがついてきた。木の葉をちぎってさしだし、かいでみて、レモンの木だよ、という。たしかにレモンの香...
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