マグロの大漁で活気づく魚市場=6月、佐渡市春日の佐渡水産物地方卸売市場
マグロの大漁で活気づく魚市場=6月、佐渡市春日の佐渡水産物地方卸売市場

 猛暑で電力不足が取り沙汰される中、エネルギー政策も一つの争点となっている参院選の投開票が10日に迫る。「原子力を最大限活用する」とする政府は原発の再稼働を進めるが、原発の重大事故時、離島は避難が難しい。東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の離島で暮らす人は、政治決戦を前に何を思うのか。記者が佐渡と粟島を歩き、住民の思いを聞いた。

 6月中旬の田んぼには、たくさんのオタマジャクシが泳いでいた。少し薄い緑色の稲が、風にそよぐ。無農薬・無肥料で手入れを惜しまない佐渡市新穂潟上の水田周辺では、運が良ければトキに出合える。

 江戸時代には、トキは全国に生息していた。明治の乱獲に昭和以降の農薬を多用する農業...

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