試合終了後に一眠りしようと考えていた人も、悔しさで眠れずじまいだったかもしれない。サッカー2026年W杯での日本代表の戦いは、明け方の惜敗で終わった。もうしばらく世界各地を包む熱気を共有していたかった

▼ブラジル戦は守勢に回りながらも、隙あらばいけると最後まで期待させる展開だった。キャプテンの板倉滉選手が試合後に「ここで終わるようなチームだと思っていなかった」と語ったのはメンバー共通の思いだろう

▼日本は前回大会でドイツとスペインを破った。親善試合でブラジルとイングランドを下して臨んだ今大会では、オランダに2度リードされても追いつき、引き分けた。雲の上にいた強豪と今や同じ地平にいる

▼日本の出場選手はすべて海外のリーグでプレーしてきた。世界標準を肌で知り、気後れせずに力を発揮できるようになった経験値の高さが、戦う集団のレベルを確実に引き上げた

▼今大会4試合での8得点は、6選手が決めた。圧倒的なスーパースターがいれば確かに強いが、体格で勝る相手とも速さと連係で渡り合うプレースタイルは一体感が強く、日本的に見えて誇らしくもあった

▼どの試合でも、随所で日の丸を掲げる応援を見た。一緒に戦うぞ、日本の底力を見せろ-。心の底から湧き上がる思いを具象化する日の丸には、何のけれん味もない。その国旗を敬えと法律で強いるかのような思考が、どうにも片腹痛くて仕方ない。ブラジル戦と同じ日、国旗損壊罪法案が衆院を通過した。