学生時代、友人と青春18きっぷで新潟市から北海道へ旅をした。出発予定日は豪雨で電車が運休し、新潟駅にもたどり着けなかった。大幅な日程変更を余儀なくされたが、代替案を考えるのも楽しかった
▼最近、もっと壮大な鉄道の旅を知った。「最長片道切符」という。一筆書きの要領で鉄路を巡り、総移動距離を可能な限り長くするものだ。1979年に出版された宮脇俊三「最長片道切符の旅」では、1万3319・4キロの長旅が克明に記録されている
▼宮脇が発着駅にした北海道の広尾駅から鹿児島県の枕崎駅までは、最短経路で2764キロほどだというから、かなりの遠回りだ。経路を地図でみると、鉄路はこうつながっているのかと驚く
▼34日間の旅に本県も登場する。まずは8日目。秋田駅から羽越線で南下し、現村上市の坂町駅で米坂線に乗り換えた。岩手から関東を回り18日目に小出駅から只見線に乗る。福島県の会津若松駅で磐越西線に乗り換え新津駅へ。最後は糸魚川駅から大糸線で長野県へ抜けた
▼この経路は当時の決定版とされたが、廃線などでルートは変わる。近年は約1万キロにまで短くなったという。県内でも、米坂線が豪雨被害のために運休中で、JRと地元自治体による再開に向けた協議が続いている
▼復旧は見通せないが、荒川の渓谷美に宮脇も魅入られた路線だ。先日、代行バスでルートをたどった。観光客以外にも学生や高齢者の姿があった。生活に密着した路線でもある。つながってこそ、鉄路だ。
