うなぎ上りと言ってもいいだろう。2カ月ほど前に6万円を突破した東京株式市場の日経平均株価は、7万円も超えた。昨日は値を下げたが、まだ伸びるとする見方もある。どこまで上がり続けるのか。相場師として主に生計を立てている知人はどんな顔をしているやら
▼先日、訃報が届いた米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン元議長なら、今の日本株価の急上昇をどう評価しただろう。1996年、米株価の急騰を「根拠なき熱狂」という言葉で警告し、市場の過熱を沈静化させた人だ
▼こちらの上昇は早く止まってほしい。食料品などの値上げラッシュが続いている。熱狂どころか、懐具合は寒くなるばかりだ。値上げの要因の一つが円安で、輸入品が高くなってしまう。1ドル=161円台を付け、約40年ぶりの円安水準に近づいているという
▼グリーンスパンさんは、18年半もFRB議長を務めた。87年に米株価が急落した「ブラックマンデー」や、2001年の米同時テロでの金融不安などを乗り切った
▼その手腕から、偉大な指揮者を意味する「マエストロ」と称賛され、金融市場の信頼は厚かった。ただ、彼の発言により市場が大きく動くため、議長退任後は発言を控えるよう求める声も出たほどだ
▼円安が進む中、日本の財務大臣の「断固たる措置を取る」との発言を何度か耳にした。円安への動きをけん制する狙いだろうが、市場は思惑通りに動かない。円と同じように、その言葉も安くみられたということか。
