第49回衆院選は19日公示された。新潟県内では6小選挙区に与野党、無所属の計16人が届け出た。2017年の前回衆院選では県内選挙区で自民党が野党勢力に負け越す結果となり、自民党が大勝した全国の傾向と一線を画した。今回は2区以外の全選挙区で自民と、立憲民主、共産、国民民主、社民各党による野党連合が激突。勢力図がどう塗り替えられるかが焦点となる。(敬称略)
自民は前職4人に、前参院議員や前首長の新人2人を加えた計6人を全区に擁立し、巻き返しを図る。
迎え撃つ野党側は2区を除いて候補の一本化に成功した。1、3、4、6の各区に立民が前職、新人の計4人を立て、5区では無所属で野党統一候補の新人が立候補した。一方、候補者調整が不発に終わった2区では共産、国民がそれぞれ1人ずつ新人を擁立した。
第3極を目指す日本維新の会も1区に元職を立てた。ほかに、5、6の各区に1人ずつ無所属新人が出馬した。
【1区】
自民を離党した維新元職の石崎と、自民新人の塚田、立民前職の西村が争う。石崎は生活に必要な最低限の金額を一律給付する制度を訴える。西村は政権の経済政策を批判し、賃金引き上げを強調。塚田は地元首長と連携したまちづくりの実現を主張する。
【2区】
前県議で国民新人の高倉と自民前職の細田、前新潟市議で共産新人の平の3つどもえの戦い。与党の政策実行力を強調する細田に対し、分裂選挙に突入した野党の高倉が人口減、雇用対策を、平が東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題を中心に論戦を挑む。
【3区】
前回50票差の激戦を制した立民前職の黒岩と、自民前職の斎藤による4度目の対決。黒岩は、農家の戸別所得補償制度の復活や金融所得課税の引き上げを主張する。斎藤は、政権与党でこそ地方の声を政策に反映できるとアピールし、党改革も訴える。
【4区】
7選を狙う立民前職菊田に、自民新人で前三条市長の国定が挑む。菊田は後援会と連合新潟を軸に他の野党や市民団体と連携。庶民目線の政治への転換を訴える。国定は自民県議の全面支援を受ける。地域産業の活性化を訴え三条市外への浸透に注力する。
【5区】
元首長による三つどもえの争い。前知事で無所属新人の米山は野党各党の後押しを受けて政権交代を主張。前長岡市長で無所属新人の森は、団体に頼らない戦いを展開する。元知事で自民前職の泉田は、地元の自民組織から支えられて浸透を図る。
【6区】
野党共闘態勢を築く立民新人梅谷と、5選を狙う自民県連会長の前職高鳥が3度目の対決。梅谷は無党派層の多い大票田・上越市で支持固めを急ぐ。高鳥は地方議員や業界団体を主力に組織戦を展開する。無所属の新人神鳥は「反ワクチン」などを訴える。
【比例北陸信越ブロック】
比例北陸信越ブロック(新潟、長野、富山、石川、福井各県、定数11)には、9党から重複と単独を合わせて計53人が立候補した。
自民党は25人を名簿に登載した。新潟2区選出だった前職鷲尾英一郎(44)=燕市=が単独1位。新潟1~6区を含む全19小選挙区に立候補した前職、新人は全員が重複立候補し、名簿順位は同列で2位となった。
立憲民主党は新潟1、3、4、6区を含む全14小選挙区の候補者を重複で名簿1位とした。打越さく良参院議員の元秘書で新人の石本伸二(60)=新潟市江南区=が15位に載った。
公明党は単独で長野と石川の新人2人を擁立した。
共産党は3人を載せた。新潟2区の新人を重複2位とし、前職を単独1位に据えた。
日本維新の会は新潟1区の元職など小選挙区公認の4人を比例重複の同列1位とした。
国民民主党は新潟2区の新人を重複立候補させた。
れいわ新選組は新人を比例単独で擁立した。
社民党は新潟県連副代表の新人、五十田裕子(60)=新潟市中央区=を単独候補とした。
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」は長野県の小選挙区で立った新人を重複候補とした。
比例北陸信越ブロックでは、前回の2017年衆院選で自民が5、立民が2、旧・希望の党が2、公明が1、共産が1議席を得た。