新潟日報社が実施した、女性活躍や子育て支援策などのアンケートでは、31日投開票の衆院選で重視する施策について、「子育て施策を一元化する省庁の創設」を選ぶ人が最も多く、子育て支援への関心の高さをうかがわせた。目前に迫った投開票日には、何を重視し、投票するのか。各テーマに寄せられた、自由記述の内容を紹介する。

 アンケートには81人が回答。省庁一元化(16人)、子ども手当(14人)、幼児教育・保育の無償化(11人)、選択的夫婦別姓(10人)、女性活躍(8人)、不妊治療の公的医療保険適用(7人)の順で選ぶ人が多かった。

▽社会全体で

 「省庁一元化」を選んだのは、子どもが1人いる上越市の40代女性。「多方面にわたる子育て関連の取り組みが連携して、一つになることで、社会全体で子どもを育てることにつながる」と期待を寄せる。三条市の50代男性は「一貫した方針で縦割りではなく、本当に子どものためになる政策を実行して」と注文する。

 「子ども手当」では、子ども2人を育てる阿賀野市の40代男性が「高校までを対象にするよう希望する」と拡充を望んだ。政府は2月、一部の高収入世帯への児童手当廃止を決めたが、新潟市中央区の40代女性は「所得が多いと減らされるが、その分税金を払っている。平等に支給すべきだ」と訴える。

 「幼児教育・保育の無償化」では、新潟市西区の50代男性が「私たちも育児中は苦労したので、子育て世帯への援助は必要だ」と意見を述べた。同市西区の50代女性は「子育ての負担軽減が女性活躍にも反映されるから」と理由を挙げた。

▽選べる権利

 「選択的夫婦別姓」を選んだ、新潟市南区の30代女性からは「『選択』できる制度だと多くの人に知ってほしい。私は姓を変えるのがつらかったし、手続きも煩雑。変えたくない人を尊重してほしい」と切実な声が寄せられた。同市秋葉区の50代男性も「希望した名前で活躍できる環境が必要だから」という意見だ。

 三条市の20代男性は「ジェンダーフリーな社会に一歩でも近づいてほしい」と「女性活躍」に期待。田上町の40代女性は「不妊治療の公的医療保険適用」について、「治療と仕事の両立は難しく、オープンに話したくない場合もある。(これから生まれる)未来の子どもにも助成してほしい」と訴える。

 アンケートは、新潟日報社のメールマガジン登録者や読者らを対象に実施。回答者の性別は女性55人(68%)、男性26人(32%)。年代別では40代が最多の26人(32%)、50代17人(21%)、60代14人(17%)だった。

◆子育てと仕事 両立に悩み 「女性活躍」道半ば

 アンケートでは「女性活躍」についても聞いた。周囲で女性管理職の登用が進んだと思うかとの問いに、「いいえ」が32人(40%)で、「はい」の31人(38%)をわずかに上回った。「分からない」は18人(22%)だった。

 管理職になりたいかを聞くと、「いいえ」が38人(47%)と「はい」の23人(28%)を上回った。「分からない」は20人(25%)。同居する18歳以下の子どもがいる人(全44人)に対象を絞ると、「いいえ」が28人(64%)と割合がより高くなり、「はい」は7人(16%)、「分からない」が9人(20%)だった。

 「いいえ」と答えた中には、子育てとの両立に悩む切実な声が上がった。4人の子育て中という新潟市中央区の30代女性は「自分の時間はないし、睡眠時間を削って家事をしている。(管理職になると)子育てとの両立はできない」と訴えた。同市中央区の30代男性も「管理職は家庭をないがしろにしている人が多いイメージで、魅力を感じない」とした。

 管理職を希望するものの、職場改善が必要とする意見もあった。同市北区の20代女性は「定年まで働く共働き世代として、男性と同じように評価されるのが当然だ」と指摘。新発田市の40代女性も「今まで勤務してきたいくつかの会社で、女性軽視・差別的な発言をする男性上司がいた」と問題点を上げた。

 仕事への複雑な心情をつづる人も。新潟市西区の50代女性は、子育てや家事の負担を考えて非正規雇用となったものの、「子どもが独立した今は、仕事に対し別の向き合い方があったように思う」とつづった。