自民党の大勝に終わった2021年10月の衆院選後、新潟県佐渡市の「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録への動きに変化が見られるようになる。11月15日、東京・霞が関の文部科学省。岸田文雄政権で文科相は兵庫県選出の参院議員・末松信介に代わっていた。就任後、新潟県関係者が初めて行った要望活動が異変を知る端緒だった。
報道陣に許されたのは冒頭の写真撮影のみ。非公開となった後、知事・花角英世や佐渡市長・渡辺竜五らが、世界遺産登録の前提となる国内推薦候補に選定するよう求めた。

21年度に国内推薦候補の選定を希望するのは佐渡のみ。ライバル不在で選定が有力視されていたため、この日の要望は「念押し」の意...
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