「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)の暫定版推薦書を、政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出して2カ月後の11月29日。衆院文部科学委員会で進捗(しんちょく)を問われた文科相・永岡桂子は淡々と答弁した。「(ユネスコから)完成度を高めるための、形式面に関するコメントがあった」

 指摘されたのは、地図の縮尺や説明文の位置など、あくまで「形式面」だと強調、審査に大きな支障はないとアピールしてみせた。

 政府は暫定版推薦書を修正し、2023年2月1日までに正式版を提出する。順当なら24年のユネスコ世界遺産委員会で審査される見通しだ。

◆世界遺産委員会指針「推薦前の建設的な対話を」

 だが、登録までには高い障壁が待ち受ける。韓国が佐渡金山を「朝...

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