新潟県佐渡市相川地区の住民の記憶には朝鮮人労働者らの姿が、街には寮や共同炊事場の遺構が残った。当時、労働者の家族らと交流のあった男性(80)は「日本も韓国も歴史認識に関して言うことが極端。別の次元の人たちが私たちの知っていることと違うことを歴史としてしゃべっている」と漏らす。

 共同炊事場跡があるのは、町歩きを楽しむ観光客も多い上町地区の通り沿いだ。現在、現地には看板などその土地の歴史を示すものはない。地域で観光ガイドを務める斎藤本恭(ほんきょう)(70)は「説明しないのは変だ。何も隠す必要がない」と強調する。一方で同じガイドの間でも、世界遺産への取り組みをきっかけに歴史認識が注目を集めたこと...

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