
文化審議会が世界文化遺産の国内推薦候補に選んだ「佐渡島(さど)の金山」(新潟県)について、政府は曲折の末、28日に国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦を決めた。当初から推薦に消極的だった政府だが、花角英世知事らの水面下の働き掛けや、自民党保守派の強い反発を受け、方針転換を決断した。保守層の離反を招けば、夏の参院選に影響しかねないとの警戒感が岸田文雄首相を動かした。
ユネスコへの推薦書提出期限の2月1日まで1週間を切った今月26日、花角知事は東京・永田町の衆院第1議員会館に姿を見せた。上京すること自体が伏せられた隠密行動だった。
向かった先は議員会館3階にある麻生太郎・自民党副総裁の事務所...
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