
皮膚に赤い発疹と水ぶくれが帯状に生じる「帯状疱疹(ほうしん)」。発症時の痛みは強く、高齢になるほど発疹が治まった後も神経痛に悩されるケースもある。鎮痛剤などによる対症療法しかないため、ワクチン接種による予防が有効だ。ただ、費用が約5万円程度と高額で、接種をためらう人は多い。自治体による助成を求める声もあるが、新潟県内では予算面などから導入が進んでいないのが実情だ。(報道部・金澤朋香)
帯状疱疹は、幼少期に水ぼうそうを発症させたウイルスが体内に残り、免疫力の低下などに伴い発病する。80歳までに3人に1人が罹患(りかん)するとされる。
新潟市中央区の80代女性は6月に発病した当初、右の太ももの内側に虫刺されのような痛みを感じた。その後臀部(でんぶ)に赤い発疹が広がり、横になると痛みが全身に走り、眠れなくなった。痛み止めは効かず、吐き気も続いた。
7月中旬からかかりつけ医に1週間ほど毎日通院し、痛みを和らげる点滴を打った。現在は...
残り868文字(全文:1286文字)