【2021/12/06】

 日が傾き始めた午後3時すぎ。新雪が積もるつづら折りの道を、ワゴン車がゆっくりと上っていく。

 旧入広瀬村(魚沼市)の循環型コミュニティーバス(コミバス)だ。静かな山間集落を縫うように走り、高齢者一人一人を自宅のすぐそばまで送った。

 「買い物も通院もコミバス。冬も来てくれるし、ありがたい」。亀山千恵子(71)は買い物袋を手に、つえをついて車を降りた。

 入広瀬の人口は1106人。最も多かった1955(昭和30)年の5871人から5分の1に減った。高齢化率は53・8%と県平均を20ポイント余り上回る。村全体が限界集落化しつつある。

 人口がピークだった1950年代、インフラ整備...

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