「酒肴三点盛」(手前)と「エビ真丈」。日本酒は常時30種類をラインアップ

 僕は、昼飲み愛好者。というのも、僕が大学時代を過ごした関西圏は、大阪を筆頭に全国屈指の昼飲み文化が根付いているから。大人たちに交じり、ちょっとした背徳感を味わう昼飲みを楽しむ習慣が自然と身に付いてしまった。そんなわけで今回は、新潟でも増えてきた昼飲みスポットを紹介する。

小島岳大(酒ジャーナリスト・ライター)
撮影は写真家・渡部佳則

1人の女性客も安心! 日本酒初心者でも楽しめる

まみあな(新潟市中央区親松2)

 1軒目は、2023年5月に誕生した「まみあな」(新潟市中央区親松2)。こちらは、新潟県内の地酒を数多く取りそろえる酒販店「地酒の都屋」のショーウインドー的存在のお店。併設する都屋で販売している日本酒を飲めるのはもちろん、それらと相性良しな日本料理を提供。さらには、日本酒ライフを充実させてくれる酒器やテーブル周りのアイテムも販売している。

 「女性がふらっと入れるような空間を目指しました。昼飲みで1人で訪れる女性もいますよ」と話すのは、店主の坂上恵さん(46)。内装やインテリアはすべて坂上さんのコーディネートで、いるだけで優しい気分になれる。

木のぬくもりがあふれる、優しい雰囲気が特徴

 そこでいただいたのが、新潟県妙高市の蔵元・君の井酒造の「恵信 純米大吟醸」(50ミリリットル270円、100ミリリットル540円)。合わせたのは「酒肴(さかな)三点盛」(850円)と一番人気の「エビ真丈」(850円)。

 坂上さんとの酒談議が好スパイスになり、酒も進む。料理長の石田優(ゆたか)さん(38)の作る、日本酒のあてをひと口食べれば、またまた酒が欲しくなる。嗚呼(ああ)、無限ループ。

手の込んだ料理はもちろん、坂上さんとの会話を楽しむのもこの店の醍醐味

 「先ほどはneutral(ニュートラル)からお選びいただいたので、今度はclassic(クラシック)からいかがですか?」と坂上さん。実はこの店では、日本酒を三つに分類。若い世代に人気な味わいの「modern(モダン)」、これぞ新潟清酒な「classic」、その中間に位置する「neutral」。日本酒初心者には、日本酒のうんちくを語られるよりもこっちのほうがずっと分かりやすい。

 いやいや、楽しい。もう1杯といきたいが、次がある。「また来ます」。後ろ髪を引かれながら、店を後にした。

■酒と食まわり まみあな
新潟市中央区親松2の3。午後1時~7時(土日祝日は正午から)。水曜定休、ほか不定休あり。025(288)5210

酒につまみと選ぶ楽しさ満載 県内外から多くのリピーター

SUZUVEL&TABI BAR(新潟市中央区花園1)

 JR新潟駅直結の...

残り2937文字(全文:3824文字)