早稲田大学の橋本健二教授

 経済格差の広がりや貧困層の増大が、社会の将来に不安の影を落としている。経済的な理由から結婚、子育てのできない人が増えれば、未来を支える次世代は減っていく。人口減少が続く新潟県にとっても見過ごせない問題だ。ただ、ことし10月に発足した高市早苗政権が打ち出す経済政策が、格差縮小にどれだけ実効性があるかは不透明だ。「格差社会」について長年研究している早稲田大学の橋本健二教授(66)=社会学=に問題の本質と、どう是正すべきかを聞いた。

(報道部・桑原大輔)

「次世代が生まれなければ、資本主義社会は存続困難に」

格差の“軽視”に警鐘「このままでは『孫の顔を見られませんよ』」

-現在の格差状況をどう見ていますか。

 「経済的な地位によって決まる階級構造の中に、新たな下層階級が出現した。これまで下層にあった労働者階級の内部に正...

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