今回は、中朝国境から中国ロシア国境への鉄道を紹介します。  中朝国境取材の始まりは2011年11月。当時、中国国内ではまだまだ反日暴動の余韻が漂い、田舎の町食堂の円卓で酔客が日本批判談義で盛り上がっている光景も目にしました。その1か月後には金正日が死去し、新たな指導者として金正恩が登場しました。  北朝鮮では幹部の処刑や核実験などから年々緊張が高まり、国境の監視体制が強化されました。  そうしたなか中朝国境取材の継続が困難になりつつあったとき、ふと満鉄の路線図を開くとロシア国境に通じていた2路線が廃線になっていたことに気がつきました。そこに何らかの遺構が、ひょっとしたら蒸機の廃車体があ...

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