前回、蒲原鉄道の廃線跡を何度も訪れていると書きました。蒲原鉄道は今年9月に創業100年を迎えます。創業翌年の1923年に五泉-村松間(4.2キロ)が開業し、1930年に加茂まで延伸(全長21.9キロ)開業しました。

 そして1985年4月に村松-加茂間(17.7キロ)が廃止され、五泉-村松間が1999年10月に廃止となりました。とりわけ加茂-村松間は廃止までの9カ月間通い詰めたこともあって、思い入れのある区間でした。

 北海道の旧国鉄士幌線のタウシユベツ橋梁(きょうりょう)のような象徴的な遺構を持たない、どこにでもある廃線跡をいかに表現するか。当初は無難に橋脚、ホームやトンネル跡などを撮影してい...

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