各棋士らが揮毫(きごう)した色紙。複数種類ある中から、写真の5種類について込めた思いなどを聞いた=3月2日撮影
将棋の第49期棋王戦コナミグループ杯(新潟日報社など主催、協賛社・大塚製薬)5番勝負の第3局が3月3日、新潟市中央区の新潟グランドホテルで指される。藤井聡太棋王(八冠)に、初のタイトルを狙う伊藤匠七段が挑む。対局に先立って2日に行われた「前夜祭」では両対局者をはじめ、立会人の藤井猛九段や大盤解説会で解説する千田翔太八段、聞き手の貞升南女流二段の色紙が来場者に抽選でプレゼントされた。それぞれの色紙に書かれた文字や込められた思いを紹介する。
◆藤井聡太棋王「飛翔」

藤井聡太棋王「私は飛翔と書くことが一番多い。谷川17世名人がよく揮毫されている言葉で、私自身も昔から谷川さんが憧れの気持ちがあったので、それで棋士になった当初から書いている言葉です」
◆伊藤匠七段「克己」

伊藤匠七段「揮毫(きごう)したのは克己。過去の自分よりもよい将棋を指していきたい」
◆藤井猛九段「我自我自」

藤井猛九段「我自我自(がじがじ)はたただの当て字です。ファンの方が考えてくれたのかな。カタカナよりも漢字の方がいいので。深い意味はありませんが、わがままな感じで自分が持って行く(詰ます)という意味にもなりますね」
◆千田翔太八段「遊神」

千田翔太八段「遊神はデビュー時から書いており、最も多く書く揮毫(きごう)です。高校の選択授業で書道を学び、そこで担当の先生から教えてもらいました。神は中国では心を意味します。心を遊ばせる、初心のような心の持ちようという意味合いで書いています。書道は棋士になるために学んでいました」
◆貞升南女流二段「元気が一番」

貞升南女流二段「揮毫(きごう)は、のびのびした将棋を指したい、将棋も自分も元気でありたいという思いで書きました。揮毫はその日の気分で書いています。好きな駒も書いています。玉と歩。玉は王に対して力の劣る方が使います。玉だからもっと強くなりたいという意味です。歩はいろいろな攻めを可能にし、敵陣でと金になり、強い駒になります。もっと強くなりたいという意味です」

























