
将棋の第49期棋王戦コナミグループ杯(新潟日報社など主催、協賛社・大塚製薬)5番勝負の第3局が3月3日、新潟市中央区の新潟グランドホテルで指されます。藤井聡太棋王(八冠)に伊藤匠七段が挑みます。
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恒例の棋王戦新潟対局が幕を下ろしました。来年はどんな対局者が来て、どんな熱戦を見せてくれるでしょうか。若き両雄の激戦を目の当たりにし、タイトル戦を身近な地域で見る機会がある幸せを感じています。
棋王戦の今後の予定
第4局=3月17日(日)栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」
第5局=3月26日(火)東京都渋谷区「東郷神社」
大盤解説会が終了。参加者は「手を作ってからが早いなあ」と、藤井棋王の終盤力に驚きながら帰途についていた。
[大盤解説会]対局を終えた2人へ大きな拍手が送られた。

勝った藤井棋王も、次局に向け、しっかり調整したいと決意を示した。
伊藤七段「カド番になったが一局でも多くさせるように頑張りたい」。

伊藤七段「序盤から例のない展開になり、時間を使う展開になった」。
藤井棋王「序盤早めに動いていく手順を選んだ」。

[07:04]大盤解説場に藤井棋王と伊藤七段が登場。
藤井棋王は2勝目。棋王位の初防衛に王手をかけた。
千田八段「最後、▲5一銀で根元を取り払うのが分かりやすいと」
千田八段が「これはどうやっても…」と話しているうちに、伊藤七段が投了した。
伊藤七段が投了。藤井棋王が2勝目。
[棋譜の進行](105)▲5一銀
千田八段らは「(考えている藤井棋王に)ここで時間があるのは大きい。読み切りたい場面」。
伊藤七段は△6二桂。大盤解説場では「番勝負。次もありますから」と対局者の心理が語られている。
[棋譜の進行](104)△6二桂
千田八段「伊藤七段、まだ闘志はあるように見えます」。
[棋譜の進行](102)△同金(103)▲5三角成
[棋譜の進行](100)△同銀(101)▲7二金
[棋譜の進行](99)▲5三桂成
[棋譜の進行](97)▲5四香(98)△同銀
▲6四桂に千田八段「これは藤井棋王、勝勢です」。
[棋譜の進行](95)▲6四桂(96)△6一玉
[棋譜の進行](94)△5四歩
伊藤七段は1分将棋になっている。
千田八段「リスクが少なく、分かりやすい」
[大盤解説会]千田翔太八段「▲5五香は詰め将棋作家らしい発想の手。これは迫られてしまう。厳しい。そうか、そういう寄せがありますか。芸術点が高い」。
[控え室]記者控え室には和服姿の藤井猛九段も入り、検討。伊藤七段の残り時間が5分に満たない。藤井九段「苦しい方は時間があっても仕方ない。時間が必要なのは勝つ方です」。
[棋譜の進行](93)▲5五香
千田八段「3一角、素朴だけれど、いいですね。片側から寄せていって。ここは4二金と打つかと」。
[棋譜の進行](92)△3八歩成
▲3一角に千田八段「攻めの拠点を築いたという感じですかね」。
[棋譜の進行](89)▲3一角(90)△5二玉(91)▲6八銀
[大盤解説会]千田八段が終局に向けて、両棋士の思考や心理状態を解説。「間違えると大きな間違えになる。読み間違えてはいけない局面」。
観客はパンフレットやスマホを片手に解説に聞き入っている様子。


千田翔太八段「藤井棋王は寄せの名手。ただ最終盤なので、いくら藤井棋王といえども、決して気を抜けない」。
[大盤解説会]千田八段「形勢は藤井棋王よし」。
[見る将さん情報]記事を公開しました!藤井猛九段に聞く連載シリーズの「4」です!最終回となります。
[棋譜の進行](87)▲2一成香(88)△1九飛
執念の「△6三銀」が指された。千田八段は「いやー」と悲鳴。まだまだ粘って、なんとしても棋王位をという思いを感じると解説。
[棋譜の進行](86)△6三銀
藤井棋王は残り33分。
伊藤七段、残り時間が10分を切る。
[大盤解説会]千田翔太八段「時間の少ない方の伊藤匠七段がまだ指さない。なにか、都合の悪い筋に気づいてしまった可能性がある」
[大盤解説会]解説の千田翔太八段と貞升南女流二段が再び登壇(写真は前夜祭)

千田八段

貞升南女流二段
[大盤解説会]18:00 終盤の局面のついて、シミュレーションも交えながら千田翔太八段が今後の展開を予想。

[棋譜の進行](83)▲2七飛(84)△同と(85)▲1一香成
[控え室]千田八段「局面は終盤に入る直前です。まもなく終盤です」
[控え室]千田八段によると、先手が飛車を切って金を入手し、6筋に香車を打って挟撃態勢を築く攻めが厳しいようだ。その場合、後手は入玉を目指す可能性があるようだが「それはたくさん駒をとられてダメです。第1局の入玉とは違います」。
後手には、次に3八金と入り、飛車を取りに行く狙いがある。
[控え室]千田翔太八段らによる検討が続いている。

持ち時間の差が詰まってきている。
[読む将さん情報]記事を公開しました!大盤解説者として第3局に来られている千田翔太八段に関する記事です。
千田翔太八段、タイトル初挑戦から7年…A級昇級へ 解説にもこだわり
※将棋のタイトルの中にはランキング制度のものがあります。例えば名人戦は、予選に当たる順位戦がA級やB級1組、B級2組などのクラスに分かれます。タイトルに挑戦する権利があるのはA級の棋士だけで、A級の順位戦で1位となった棋士が挑戦者として、名人とタイトルを懸けた7番勝負を行います。A級で戦う棋士を「A級棋士」と呼びます。A級の定員は10人。10人で名人への挑戦権を争うことになります。
[棋譜の進行](75)▲同金(76)△同歩(77)▲2六角(78)△2七金(79)▲5九角(80)△3七歩(81)▲2九飛(82)△1七歩成
[棋譜の進行](71)▲3六歩(72)△1五歩(73)▲3五歩(74)△1六馬
[大盤解説会]盛況の大盤解説会。局面が動かない場面では、解説の千田翔太八段や聞き手の貞升南女流二段が、タイトル戦で出てきたお菓子やケーキの話などをして場を盛り上げている。
[読む将さん情報]記事を公開しました!藤井猛九段に聞く連載シリーズの「3」です!
[藤井猛九段’s Eye]強敵と勝ち星と…第3局が持つ重みと意味とは?
残り時間は藤井棋王が1時間42分。伊藤七段が30分。
[棋譜の進行](69)▲1七角(70)△2三金
[対局者情報]リフレッシュ方は?
対局だけでなく、事前研究が重要になる現代の将棋界。最前線で戦う棋士たちはどんなふうに、リフレッシュを図っているのだろうか。
愛知県に住む八冠の藤井聡太棋王は。鉄道好きで知られる。昨年に続き、今年も特急「しらゆき」で新潟入りした。新潟日報社の事前インタビューに、「新幹線を使うよりも多分1時間ちょっと時間は長くかかるのですが、なかなか普段乗ることの少ないルートですし、せっかくの機会なので」と教えてくれた。「昨年よりも少し波が高かったかなという印象ですが、冬の日本海らしさも感じることができた気がします」と語った。

JRの特急列車「しらゆき」
一方、プロ野球の「中日ドラゴンズのファン」という伊藤匠七段。「ただ、いまオフシーズンなんで」とちょっと残念そう。他にはジョギングをしているといい、「どうしても棋士は運動不足に陥りがち。ジョギングがリフレッシュにはなっているかな」と話す。「いまの(寒い)時期だとちょっと。花粉もあるんで。走れる日は走っている」という。
[大盤解説会]参加者は関係者を含めて約300人。千田翔大八段の結婚について話題が上がる。千田八段は中村真梨花女流四段と結婚。対局前はお互いを思い合い「ゆっくり過ごせる時間」を作るようにしているという。家庭内のルールは「お互いの結果に口出ししない」。
[記者控え室]日本将棋連盟新潟県支部連合会の奥州光治会長も「序盤に戻ったね」と長期戦を覚悟している。
[棋譜の進行](63)▲3六歩(64)△同歩(65)▲同金(66)△3五歩(67)▲2六金(68)△2四歩
[読む将さん情報]記事を公開しました。色紙に書かれた文字や込めた思いを紹介する記事です。両対局者のほか、藤井猛九段、千田翔太八段、貞升南女流二段を紹介しています。
藤井聡太棋王、伊藤匠七段が色紙に書いた文字は?込めた思いは?
[大盤解説会]現局面は後手が馬をつくり、先手も飛車を動き直した。藤井猛九段は「早く終わるかと思ったが、これは遅くなりますよ。終局は19時ですね」と予言。
[おやつ関連情報]3月2日のインタビューでは藤井聡太棋王、伊藤匠七段それぞれに米どころ新潟の「酒と米菓」についても尋ねた。「お酒はさっぱり」と笑顔の藤井棋王。伊藤七段も「お酒は飲みません」と下戸の様子だった。米菓について、藤井棋王は「柿の種やハッピーターンは新潟のお菓子と知らなかったが、幼い頃から食べてきた」と話した。
[大盤解説会]立会人の藤井猛九段が登場。ユーモアある解説で大人気の棋士だ。ホテルまでのタクシーで交わした伊藤七段との会話で会場の笑いを誘っている。
藤井猛九段が「自分の対局の放送は後で見ますか」と聞くと、伊藤七段は「見ないです」と答えた。自分の対局の放送はあらかじめ録画し、勝ったら全部チェックするという藤井九段とは対照的だという。
同世代の羽生善治さんらと比べて遅咲きだった藤井九段。「いつか自分も中継に映される棋士になりたいと思い続けてきたからこそですよ」との話にファンがうなづいた。

[棋譜の進行](55)▲同銀(56)△6五歩(57)▲7七銀(58)△3四馬(59)▲3九飛(60)△3五歩(61)▲6七歩(62)△8一飛
[おやつ情報]2人のおやつ・黒ごまプリンの上には、黒ごまと金箔があしらわれている。2層構造で、上はクリームプリン、下は黒ごまプリン。グランドホテル2階の「ティーラウンジスパークル」で買える。定価700円。午後2時時点で約15食がすでに完売しているという。
[藤井棋王・3時のおやつ]黒ごまプリンとアイスレモンティー

[伊藤七段・3時のおやつ]黒ごまプリンとアイスストレートティー。飲み物は午前と同じ。

[読む将さん情報]記事を公開しました。藤井猛九段に聞く連載シリーズの「2」です!
[藤井猛九段’s Eye]<2>「羽生世代」の第一人者、どう見る!?同世代対決
[対局者情報]同学年の2人はかつて、小学生大会でも対戦。伊藤七段が藤井棋王に勝ち、泣かせたこともある。
[対局者情報]両者の対戦成績は藤井棋王の8勝0敗1引き分け。大きくリードされた伊藤七段にとって、今回の5番勝負は正念場となる。
[対局者情報]両者のタイトル戦での対決は2023年の竜王戦7番勝負以来。この時は伊藤七段は1勝も挙げられず、0勝4敗で敗れた。
[大盤解説会]日本将棋連盟新潟県支部連合会の奥州光治会長と新潟県アマチュア名人の齋藤福実さんが登壇。大学生の齋藤さんがさまざまな変化を説明している。

[棋譜の進行](49)▲3四歩(50)△3六馬(51)▲4七金(52)△2五馬(53)▲7九玉(54)6六歩
昼食休憩中の対局室。静寂の中にピリッとした空気が残る

伊藤七段が座る側

藤井棋王が座る側

対局室の中には盤と駒。互いに4時間を持ち合って、棋士が一日向かい合う。一手一手に魂を込める

こちらが対局室の入り口

ホテルの入り口を入り、建物内へ。対局室のある階の対局室に続く通路

新潟グランドホテルの入り口。信濃川のすぐ脇に建つ。ホテル内からは萬代橋がよく見える。


[対局者情報]互いの印象
21歳と同じ歳同士の対決となった今回の棋王戦。知名度、実績は藤井聡太棋王が上回るものの、伊藤匠七段も竜王戦に続くタイトル戦登場で、将来を嘱望される若手だ。互いの印象を両対局者に尋ねた。
藤井聡太棋王は「伊藤七段は以前から序盤の研究にも定評があったのですが、最近はその点がさらに磨きがかかっているところはあるかなと思います。同様に中終盤の指し手の鋭さも上がっているのかなという印象です」と語る。「着実にその後も実力を伸ばしている印象があって、非常に大変な相手なんだなと。しっかり準備をしてまたいい状態で臨む必要があるのかなと思っています」と警戒する。
一方、絶対王者に立ち向かう伊藤七段は「常に先を行かれている方で、奨励会時代からずっと意識してきた。ずば抜けて棋力が高い」と感じている。竜王戦、棋王戦とタイトル戦で藤井棋王と戦う中で、「やはり事前の想定の離れたところから、力の差を感じる将棋が続いている。そういったところでの精度が課題です」と語る。子どもの頃からの夢だったという念願のタイトル戦。「出られるようになって、うれしいんですけれど、結果が出ていない。なんとか出したい」と意気込んだ。
[棋譜の進行](48)△2七角成
[読む将さん情報!]記事を公開しました。藤井猛九段に聞く連載シリーズです!
[藤井猛九段’s Eye]<1>第3局注目ポイント出るか「藤井システム」のような武器
[大盤解説会]千田翔太八段が伊藤匠七段の心中を考え、「45手目6五歩に約50分考えたが、藤井聡太棋王は約3分の小考で3五歩と応じた。伊藤七段はさらに約80分の長考で3八角。ノータイムで返されるとつらい。持ち時間の差が一方的につくのは珍しく、伊藤七段に思考の負担がかかっている」と指摘する。
[藤井聡太棋王]序盤の作戦も巧みで、中盤の難所でも深く、的確な読みで最善手を導き出していく。さらに、詰め将棋で鍛えた終盤力は群を抜いている。隙がなく、現在は死角が見当たらない状態といえる。
[藤井聡太棋王]藤井棋王は昨年、五冠でスタート。その後、棋王、名人、王座のタイトルを次々と奪取し、史上初の全八冠独占を成し遂げた。
最年少の14歳2カ月でのプロ入りからわずか7年で、押しも押されもせぬ棋界の第一人者になった。今では貫禄さえ漂っている。
[棋譜の進行](47)▲6九飛
[伊藤匠七段]今期の棋王戦では本戦トーナメントの準決勝で、元竜王の広瀬章人九段に敗れ、敗者復活戦に回ったが、そこから一気の4連勝で挑戦権をつかんだ。
トッププロが多用する「相掛かり」を得意とし、序盤の研究家として知られる。的確な中盤、終盤にも定評がある。
[大盤解説会]千田翔太八段と貞升南女流二段が序盤の展開を説明した。千田八段は、藤井棋王の手を川端康成の「雪国」になぞらえて、解説。
両対局者の持ち時間に大きな差が出ている。藤井棋王は残り3時間41分。伊藤七段は残り1時間16分。
[棋譜の進行]△3八角
[大盤解説会]千田八段は第3局について「藤井棋王が相入玉(あいにゅうぎょく)を避け、積極的な指し方。雪溶けを目指した形です」。雪国・新潟を意識した解説で盛り上げる。
第1局は互いの玉が相手陣に逃げ込む「相入玉」となった末に持将棋(じしょうぎ・引き分け)となった経緯がある。

[大盤解説会]持将棋になった1局目が話題に。伊藤七段が持将棋まで見据えた研究をしていたともされ、森下九段は「昔91手定石がありましたが、角換わりは持将棋まで考える時代になりましたか」と驚いた。
91手の定石は非常に長大。矢倉の戦法の一つ。「定石」とは最善とされる決まった指し方の手順。
[大盤解説会]森下卓九段が大河津分水の大工事や北九州弁に関するエピソードを披露し、会場をわかせる。大河津分水には大変感動をした様子で、前夜祭でも熱く語っていた。

[読む将さん情報]記事を公開しました!
プレイバック棋王戦2023 まさかの詰み逃し、たった一手のミスで明暗
[大盤解説会]午後1時大盤解説会が始まる。森下卓九段、千田翔太八段、貞升南女流二段が登壇。

[対局場]まもなく再開。すでに両対局者が盤を挟んでいる
[大盤解説会]間もなく開始。大勢の将棋ファンが集まっている

[対局者情報]藤井棋王の着物は「塩沢紬」。塩沢は新潟県南魚沼市の地名で、旧塩沢町。

[展開]藤井猛九段は午前の展開について「時間の使い方から見ても先手の作戦がうまくいっていると思います。後手6五歩に先手3五歩と攻め合ったので、先手が攻めていて不満なしだと思います。午後は激しい攻め合いになるのではないでしょうか」
[対局場]昼食休憩に入った時点での盤面

[勝負メシ=昼食]伊藤七段 ホテル内「静香庵」の海の幸重御前(2500円)。一日10食限定。小鉢や茶碗蒸し、味噌汁付き。昨年の棋王戦第3局で藤井棋王が注文したメニューと同じ。
[勝負メシ=昼食]藤井棋王 新潟グランドホテル内の中華レストラン「慶楽」の味わいランチ(2200円)。主菜をエビチリに変更(プラス300円)。ランチは海鮮サラダ、副菜が4種、フカヒレスープ、搾菜・高菜漬け ご飯、杏仁豆腐がつく。
[勝負メシ=昼食]
▽伊藤七段 「海の幸重」と緑茶(温)

▽藤井棋王 「慶楽味わいランチ(メインエビチリ)」とウーロン茶(冷)

[お知らせ]棋譜速報を公開しました。
[対局情報]伊藤七段の手番のまま昼食休憩に入る。再開は午後1時の予定
[対局者情報]藤井聡太棋王、伊藤匠七段は対局前日の2日、新潟日報社のインタビューで、新潟に対する印象を気さくに語ってくれた。
藤井棋王は2023年の棋王戦でも新潟市を訪れ、対局している。「新潟はこれまでも対局で何回か来ていて、お米をはじめ食べ物がすごくおいしい印象を持っています」と話した。昨年の棋王戦でも大盤解説会はじめ多くの方に来てもらったとした上で「将棋熱もすごく高い地域なのかなと思っています」と語った。
「米どころという印象で、自分の家でもいただいている」と話すのは伊藤七段。新潟には来ることが初めてという。「過去、家族が新潟にスキーに来ていたので、自分も行ったことがあると思っていたんですけれど、確認したら今回、初めてのようです」とのこと。今後はスキーにも来られたらと話していた。
[大盤解説会]準備万端!受付前では開場を待つ将棋ファンの長い列が。

[控え室]差し入れを手に満面の笑顔を見せる千田翔太八段。「新潟は信濃川と萬代橋(萬代橋)の景観がきれいですし、今朝の雪も朝食を食べながら楽しめました。新幹線に乗っていて、同じ県内でも景色がさまざまなのが印象的です」

[おやつ情報]ホテル内の「ティーラウンジスパークル」の担当者によると、ガトーもレアチーズケーキも、午前10時半前には完売した。
[おやつ情報]新潟グランドホテルの伊藤建二さん。「イチゴとピスタチオのガトー」「イチゴのレアショートケーキ」それぞれ約30食を準備。(通常は10食ほど)。当分の間は多めに用意しているので「是非食べに来てほしい」。
[棋譜の進行](45)▲3五歩
[控え室]藤井猛九段が、藤井棋王が午前のおやつで食べた「イチゴとピスタチオのガトー」を食べる。「ピスタチオのクリームがアクセントになっている。ナッツ感があり、美味しい。越後姫はとても甘く、ケーキとのバランスも良い。アイスカフェオレと相性よい」
何期もタイトルを保持した上、厳しい対局を重ねてきた藤井猛九段。「棋士にとって、おやつは息抜きの時間。対局中はおやつくらいしか気持ちを切り替えるタイミングがない。張りつめた心をなごませるきっかけがおやつです」と解説。

[大盤解説会]午後1時から大盤解説会が行われる会場。旧ツイッターのXや、インスタグラムでも情報発信中。Xはこちら(@nippo_event)。インスタグラムはこちら(nippo_event)。


[読む将さん情報]記事を公開しました!
使われているのはどんな駒?新潟三条市の駒師、大竹日出男さん作!
棋王戦第3局で使用されている駒は「竹風駒」。新潟県三条市の駒師・大竹日出男さんの作。昨年の第3局に続き、使用されている。
[棋譜の進行]52分の長考の末、伊藤七段着手。△6五歩。藤井棋王の消費時間はこれまで16分。伊藤七段は1時間22分。
貞升女流二段「現局面は難しい。時間を使われているので午前中はゆっくりした将棋になるのではないでしょうか。第1局、第2局とは展開が違います」
伊藤七段の消費時間が30分となる
[控え室]将棋連盟県支部連合会の奥州光治会長と齋藤福実・新潟県アマチュア名人が記者室訪れる。奥州会長「先手4五桂馬は2分で指しているから研究の範囲。次の4四銀に伊藤七段が17分考え、飛車先の歩を交換して棋王が飛車を引いた後、また考えている。連続して考えているのは研究とずれているということだ。齋藤アマ名人「伊藤七段の次の一手が大事です。3八角を打てるかどうかを考えていると思います」
大盤解説会の会場前。開始は午後1時だが、すでに大勢の将棋ファンが並んでいる。

[午前10時すぎ]日本将棋連盟佐渡支部の光村克己幹事長が控え室前を訪れ、藤井猛九段、千田翔太八段、貞升南女流二段にクッキーを差し入れ。佐渡市虫崎(両津)のケーキ屋の特注で「棋王」と記されている。「大盤解説を頑張ってほしい。楽しみにしています」と激励の言葉

[控え室]おやつを片手に談笑する藤井猛九段

新潟グランドホテルの伊藤建二セールスマネージャーは「伊藤先生は午後のおやつもアイスティーストレート。甘い飲み物がお好きではないのかも」とつぶやく。
おやつはグランドホテル2階の「ティーラウンジスパークル」で購入できる。「イチゴとピスタチオのガトー」「イチゴのレアチーズケーキ」それぞれ700円。イチゴは越後姫。越後姫は新潟県産ブランドの名前。大粒で甘みが強く、みずみずしい食感が特徴。新潟県内各地で栽培されている。
[伊藤七段・10時のおやつ]
イチゴのレアチーズケーキ
アイスティー(ストレート)

[藤井棋王・10時のおやつ]
イチゴとピスタチオのガトー
アイスカフェオレ

棋王戦は1日制で持ち時間各4時間。第1、2局同様、第3局も序盤から目が離せないスピーディーな展開となっていた。
[棋譜の進行]数手進む
(38)△4四銀(39)▲2四歩(40)△同歩(41)▲同飛(42)△2三歩(43)▲2九飛
第1、2局とも現代将棋最先端の戦いとなり、結果は棋王の1勝1持将棋(じしょうぎ)、いわゆる引き分けに。第3局では、棋王が連勝しタイトル防衛に王手を掛けるのか、挑戦者が1勝を挙げ押し返すのか、新潟対決に注目が集まる。
[控え室]千田八段の丁寧な解説に取材する記者陣も「分かりやすい」と感謝
[控え室]千田翔太八段による最新形の解説に森下卓九段は「はー、勉強になります」と驚きの声。

[棋譜の進行](34)△8四飛(35)▲5六銀(36)△7三桂(37)▲4五桂
戦型は角換わり腰掛け銀。千田翔太八段「この形は永瀬拓矢九段が研究会でよく指している形。先手は桂馬を早めに上がり、長期戦にしたくない構え。端歩もついていますし、藤井システムみたいですね」
[対局者紹介]

◎伊藤匠(いとう・たくみ)宮田利男八段門下。2020年、17歳でプロ入り。21年には若手棋士らが対象の新人王戦で初優勝を飾った。21年度、勝率8割1分8厘(45勝10敗)の好成績を挙げ、勝率1位となった。23年には竜王戦7番勝負に出場、タイトル初挑戦を果たした。今回の棋王戦5番勝負が2度目のタイトル戦出場となる。東京都出身。21歳。

◎藤井聡太(ふじい・そうた)杉本昌隆八段門下。2016年、史上最年少の14歳2カ月でプロ入り。17年にデビューから無敗で最多の29連勝を達成。20年には最年少で初タイトルを獲得。23年10月、初めて全八冠を独占した。通算タイトル獲得は歴代6位タイの19期(竜王3、名人1、王位4、叡王3、王座1、棋王1、王将2、棋聖4)。愛知県瀬戸市出身。21歳。
[棋譜の進行](29)▲6六歩(30)△5四銀(31)▲4七銀(32)△6二金(33)▲5八金
[棋譜の進行](27)▲4六歩(28)△7四歩
[棋譜の進行](21)▲7八金(22)△3三銀(23)▲6八玉(24)△6三銀(25)▲3七桂(26)△4二玉
対局場へ入る両対局者


[09:22]千田翔太八段「長期戦に持ち込みたくなく、速攻を仕掛ける藤井棋王と速攻を受け流す伊藤七段」と構図を解説
[棋譜の進行](17)▲3八銀(18)△6四歩(19)▲3六歩(20)△6二銀
進行は角換わり
ここまでの進行(11)▲同銀(12)△2二銀(13)▲1六歩(14)△9四歩(15)▲9六歩(16)△1四歩

入室は伊藤七段が8時45分。藤井棋王が8時50分だった。藤井棋王は置き時計やハンカチなどを巾着から取り出し、目を閉じて深く息を吐いていた。
藤井棋王の「初手」はお茶。続いて2六歩と指した。
(10)△7七角成
(9)▲6八銀
(8)△3四歩
(7)▲7七角
(6)△3二金
(5)▲7六歩
(4)△8五歩
(3)▲2五歩
(2)△8四歩
(1)▲2六歩

[09:00]対局開始
藤井棋王は大橋流。伊藤七段は伊藤流で。
駒を並べる両対局者。

[08:50]藤井棋王が対局室へ。

[08:45]黒い着物を着用して入室した伊藤七段。落ち着いた様子で、おしぼりで手を拭くなどして準備する。
伊藤七段が入室

[08:40]森下卓九段も入室


[08:33]立会人の藤井猛九段が対局室に入室
午前8時30分より少し前に撮影した新潟市中央区。橋は中央区の象徴の一つ「萬代橋」(ばんだいばし)。対局が行われる新潟グランドホテルから撮影。雪がちらついていた。

[08:30]新潟市中央区は日差しがあります。未明から早朝にかけ降雪があり、数センチ雪が積もっています。
第49期棋王戦第3局のテキスト速報を行います。