スキー場が集中立地する新潟県湯沢町、南魚沼市、妙高市の3自治体は6月3日までに、2023年11月〜24年5月のスキー客の入り込みをまとめた。湯沢町は前のシーズンに比べ6・3%減の172万3140人、南魚沼市は3・7%減の104万1475人だった。一方、妙高市は63万5274人と17・5%増加。湯沢・南魚沼は少雪による営業期間短縮が影響し、妙高はインバウンド(訪日客)の回復が寄与した。新型コロナウイルス禍を経て行動制限がなくなり、入り込み増が期待されたシーズンだったが、地域によって明暗が分かれた格好だ。

 集計は湯沢町10カ所、南魚沼市7カ所、妙高市8カ所のスキー場を対象とした。

 湯沢町では訪日客が好調で前のシーズンを上回ったスキー場もあったが、ほとんどは集客に苦戦した。町企画観光課の担当者は、訪日客が過去最高の30万2130人だった点を好材料と評価しつつ「少雪で営業期間を短縮したスキー場が多かった。感染禍前の数字には全然追いついていない」と説明した。

 南魚沼市でも同様だった。八海山麓スキー場では予定より1カ月ほど早い2月18日に営業を終了。市商工観光課の担当者は「雪が足りなくて滑走制限をしたり営業期間を短縮したりしたところも多く、市全体での減少につながっている」と指摘した。

苗場スキー場のゲレンデを楽しむスキーヤー=1月、湯沢町

 妙高市でも少雪傾向は同様だったが、オーストラリアなどを中心とした訪日客が好調だったことを背景に来場者数は前のシーズンから9万4710人増加。妙高ツーリズムマネジメントによると、24年1、2月の市内の外国人延べ宿泊者数は、9万2784人と過去最多だった。

 妙高市観光商工課の担当者は感染禍前の18、19年シーズンの来場者数約73万2千人には及ばないとした上で「訪日客の回復を背景に順調に客入りが回復している。訪日客への水際対策がなくなったことや円安傾向も後押ししているだろう」と話した。

 上越市安塚区のキューピットバレイスキー場は、前のシーズンから550人増の5万5550人が来場した。「地震や少雪の影響を懸念したが2月の客入りが良く、来場者は増加に転じた。主な客層は国内ファミリー層だが、オーストラリアや欧米系などの訪日客が増えた印象もある」としている。

◆[インバウンド]来場者の7割を占めるスキー場も

 国内のスキー人口が減少する中、新たな客層として期待されるのがインバウンド(訪日客)だ。...

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