拉致被害者を救う運動のシンボル「ブルーリボン」を胸に候補者の演説を聞く「曽我さん母娘を救う会」の臼木優会長=佐渡市
拉致被害者を救う運動のシンボル「ブルーリボン」を胸に候補者の演説を聞く「曽我さん母娘を救う会」の臼木優会長=佐渡市

 10月27日投開票の衆議院選挙(衆院選)では、複数の党が公約などで北朝鮮による拉致問題1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。の解決を訴えている。横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=、曽我ひとみさん1978年8月12日、母のミヨシさん=失踪当時(46)=とともに北朝鮮に拉致された。2002年、ひとみさんは拉致されてから24年ぶりに帰国を果たしたが、ミヨシさんは日本に戻れないままでいる。ミヨシさんとの再会、帰国を願うひとみさんは署名活動や、佐渡市内の小中学校などで拉致問題を知ってもらうための講演を続けている。(65)の拉致された地を含む新潟1区新潟市中央区、新潟市東区、新潟市江南区、佐渡市。でも、候補者が演説で言及する場面はある。ただ、国政選挙のたびに公約に盛り込まれるが、目に見える進展はない。「本当に時間がない」。被害者家族を支える人たちは、政治への期待と失望を重ねた経験を胸に、論戦を見守った。

 「全ての拉致被害者を救出できず、大変申し訳ない」。10月18日、新潟1...

残り1137文字(全文:1437文字)