
新潟市西区の街頭演説で、連携した県議や市議らと並ぶ菊田真紀子(左から4人目)=10月26日
新潟県内小選挙区の定数が6から5に減り、再編された新たな区割りでの初めての衆議院選挙(衆院選)は、立憲民主党が全議席を奪取し、自民党の比例代表復活も1議席しか許さない結果に終わった。異例の超短期決戦では、有権者の支持を得るべく、各候補が激しい陣取り合戦を繰り広げた。各選挙区の12日間の選挙戦を振り返る。(5回続きの2、敬称略)
イメージカラーの黄色い布を手に、沿道数十メートルに渡って並ぶ支援者たち。中には「裏金ダメ」のプラカードも見える。選挙戦最終日の10月26日夕、立憲民主党の菊田真紀子(55)が新潟市西区青山で演説した。人や車が行き交う交差点は陣営の熱気が充満していた。
「西区で素晴らしい選挙を戦えた。だからこそ西区で圧倒的に勝たせてください」。菊田の訴えは翌日に実り、西区トップの約3万7千票を獲得した。
菊田にとって新しいエリアである西区の有権者は約13万人。新区割りの新潟2区新潟市西区、新潟市南区、新潟市西蒲区、三条市、燕市、加茂市、田上町、弥彦村。で最も多い。西区では安保法制への反対運動を機に、野党勢力が活動を共にするなど「共闘の素地があった」(西区の野党関係者)。そこに着目した菊田は、西区を地盤とする野党系の県議や市議らと早くから関係を築き、共に地域を回ってきた。

選挙戦では共産党は党の方針で直前に共闘から抜けたが、野党各党や連合新潟の関係者らが、毎朝つじ立ちで菊田をアピール。電話作戦など水面下の運動も、県議と市議が一体でリードした。西区選挙対策本部の共同代表で元参院議員の近藤正道は「西区でここまで野党が連携して戦った選挙は初めてだ。結束するいい機会になった」と喜ぶ。
超短期決戦の下、...
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