※各項目を5段階評価で採点。
5=満足、4=やや満足、3=どちらでもない、2=やや不満、1=不満。
※各項目を5段階評価で採点。 5=満足、4=やや満足、3=どちらでもない、2=やや不満、1=不満。

 新潟県佐渡市の「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」の世界文化遺産登録が決まってから10月27日で3カ月を迎えたのに合わせ、新潟日報社は佐渡観光の満足度調査を行った。観光客からは、史跡佐渡金山や自然などの観光資源は、おおむね満足との評価が得られた。一方で、混雑などで飲食店を利用できなかったことや路線バスの不便さなどに不満も上がり、受け入れ体制に課題があることが改めて浮き彫りとなった。改善を求める観光客の声も合わせて紹介する。

 調査は9〜10月にかけて、両津港と小木港で佐渡旅行を終えた50人に対面で行った。評価は「満足」「やや満足」「どちらでもない」「やや不満」「不満」の5段階で設定。総合、飲食、宿泊、交通の4項目を採点してもらい、改善点なども聞いた。

 集計した結果、「総合」「宿泊」「交通」は、それぞれ平均で4・5点。「飲食」は、他よりやや低く4・16点だった。

 総合面では、佐渡金山や北沢浮遊選鉱場跡、景色、野生のトキなど観光資源の評価が目立った。

両津港ターミナルから、団体旅行用のバスに乗り込む観光客。調査では、佐渡の観光資源に高評価が得られた一方で、路線バスの不便さなどに不満も上がった=9月25日、佐渡市両津湊

 ただ、金山の歴史をより理解するためには、ガイドの強化が必要との声も聞かれた。群馬県の59歳男性は、金銀山のガイダンス施設「きらりうむ佐渡」に最初に訪れたことで「全体像と理解が深まった。大間港もそこで知り、立ち寄ることができた。歴史の流れをもっとPRしてほしい」と求めた。

 「個人で回ると、金山の歴史背景などを知らずに通り過ぎてしまう。2、3カ所回れるようなツアーがほしい」(大阪府の60代女性)との声も。悪天候時に行ける博物館などの施設紹介が必要との意見もあった。

 また佐渡に来たいかを聞いたところ、64%の32人が「来たい」と回答。寺巡りやたらい舟、アウトドアスポーツといった別の目的、違う季節での再訪問を挙げた。一方で18%の9人が否定的で、「一回来れば十分」との声も複数あった。

 さらに回答者全体の5分の1に当たる10人が日帰りだった。長期滞在やリピーターの確保を観光戦略に掲げる関係者にとって、さらなる工夫が必要であることを物語る結果になった。

[総合面]改善のヒントあり?観光客の声

○(62歳・男性 新潟市中央区)旅館、景色全て良かった

○(70代・女性 燕市)人々が親切。言葉が柔らかく感じる

○(70代・女性 埼玉県)ツアーで回る場所が多すぎ。一カ所ずつゆっくり過ごしたい

○(20代・女性 新潟市)雨の日に行く場所が少ない

※右の「+」を押すと読むことができます

[飲食]

※各項目を5段階評価で採点。 5=満足、4=やや満足、3=どちらでもない、2=やや不満、1=不満。

 他の項目よりやや低く4・16点だった「飲食」。改善点などを聞いた中で最も目立ったのが飲食に関する意見だった。目当ての店に訪問できたかどうかで、評価が二分した。

 刺し身や佐渡牛、カニ、米など地の物を食べた人は「満足」で、過半数の33人を占めた。半面、店が見つからなかったり満員で入れなかったりし、コンビニエンスストアを利用した人もいて、6人が「やや不満」、2人が「不満」だった。

 滋賀県の70代男性は、目当ての店が休みで代わりを探そうとしたが、「店が少なく見つからなかった」と不満を口にした。新潟市西区の40代男性は「特に昼食が困った。...

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