新潟市南区の自宅で2021年11月、妻子をロープで絞殺したとして、殺人など四つの罪に問われた無職の夫(31)の論告求刑公判が11月12日、新潟地裁(小林謙介裁判長)で開かれ、検察側は無期懲役を求刑、弁護側は有期刑を求め、結審した。判決は22日。

 検察側は論告で、殺人事件以前の殺人未遂事件、窃盗・殺人予備事件から、被告が当時交際していた女性との関係を継続するため妻子の殺害を企てたとし、殺害に関するネット検索をするなど高い計画性があったと強調。「長期的かつ執拗(しつよう)な殺意があった」と指摘した。

 人命を救う看護師の立場を悪用したほか、動機も「身勝手極まりなく極悪非道」と指弾。2人が亡くなった点や、自殺の偽装など態様の悪質性も考慮し、過去の同種事案との比較から有期刑ではなく無期懲役が相当と訴えた。

 弁護側は殺人罪について、殺害方法がとりわけ残虐であるとまでは言えないとし、...

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