
渡辺健被告に判決が言い渡された新潟地裁=11月22日
新潟市南区の自宅で2021年11月、妻と長女をロープで絞殺したとして、殺人など四つの罪に問われた無職渡辺健被告(31)の裁判員裁判の判決公判が11月22日、新潟地裁であり、小林謙介裁判長は「経緯や動機に酌むべき点は皆無だ」として求刑通り無期懲役を言い渡した。殺人や殺人未遂、窃盗、殺人予備の全ての罪を認定した。
殺人罪の成立には争いがなく、殺人未遂や殺人予備の罪が成立するかが争点だった。
睡眠薬を混ぜたコーヒー牛乳を妻に飲ませ、長女が同乗する車で交通事故を起こさせたとした殺人未遂罪について、小林裁判長は「被告は妻の運転を制止すべき義務を負っていたのに、殺意を持ってあえて運転を制止しなかった」とし、罪が成立するとした。
殺人予備罪に関しても、「加害目的で人体に投与すること以外に塩化カリウムを持ち出す合理的理由は見当たらない」とし、殺意を認定。看護師だった被告が殺害の目的で妻に静脈注射する技術を持ち、決意すればいつでも実行できたとし、同罪に該当するとした。
その上で量刑理由では、...
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