顧客から預かった洋服のしわをのばすクリーニング店での作業。「いつまでもきれいに、大切に着てほしい」との思いがこもる=燕市笈ケ島の「クリーニング&リペアReBORN」(写真映像部・中里一也)

 「あのさー、今日学校で習字があったんだけどね」。半年ほど前、小学4年生の息子にこう言われた。

 「そうなの。上手な字が書けたかな」と、出来栄えを聞こうとして、すぐに察知した。「どこ汚した?」

 洗濯機の中から探し出した息子のズボンには黒い跡がくっきり。「黒い服を着させれば良かった」と後悔しながら、染みを落とすべく奮闘した。墨汁は手強く、薄くなっただけだった。

 ほかにも、頭を悩まされる染みはある。

 ミートソース、草で擦れた緑っぽい色…。洗濯をした後に気付くことも多い。「子どもの洋服はすぐにサイズアウトするから、このままでいいか」「あんまり目立たない、ような気がする」と、見て見ぬふりをしてきた。仕事...

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