のこぎりでコウゾを刈り取る上郷小5、6年生=津南町上郷宮野原
のこぎりでコウゾを刈り取る上郷小5、6年生=津南町上郷宮野原

 手すき和紙の卒業証書作りに30年以上取り組んでいる新潟県津南町上郷宮野原の上郷小学校で、2024年も和紙作りが始まった。学校生活の思い出が詰まった卒業証書にしたいと、5、6年生8人は、和紙の原料となるコウゾを、地元の保存会メンバーから指導を受けて刈り取り、「世界で一枚」の卒業証書を手作りする。

 証書に使われるのは上郷地区に伝わる大井平(おおいだいら)和紙。約200年前に長野県木島平村から伝わったとされ、農閑期の作業として取り組まれた。1980年代に途絶えたが、こどもたちに和紙作りを体験させたいと、上郷小から88年に依頼を受け、地元有志が大井平和紙保存会を結成。翌89年から児童に卒業証書用の和...

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