競技人生に刻む明と暗

 新体操団体の日本代表「フェアリー(妖精)ジャパン」の新星として輝きを放った2008年北京。チームの軸に成長しながら、大けがで道を閉ざされた12年ロンドン。五輪は競技人生に明と暗を刻んだ。

「五輪は選ばれた人しか出られない特別な場所。出場選手には楽しんでほしい」と話す=愛知県半田市

 北京五輪8カ月前、代表候補に追加招集された。チーム最年少の16歳。すらりと伸びる手足と身体能力の高さを買われた。「夢でしかなかった五輪に出るチャンス」。メンバーと共同生活が始まった。

 基礎練習を徹底的に繰り返した。練習時間が12時間近くに及ぶ日も。だが、目に見えて上達する日々が自信を深めた。「試合が賭け事ではなく、積み重なったものの上にある」と思えるようになっていた。

 五輪は予選前半のロープで9位。後半のフ...

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