燃え尽き、競技人生に幕
草花園芸を学ぼうと入った巻農高でボクシングに出合い、インターハイと国体の2冠に輝いた。東農大時代にはバルセロナ五輪出場を果たす。県人ボクサーがインターハイを制したのも、五輪に出場したのも、佐々木忠広さん(49)が初めて。周囲からは「ボクシングのために生まれてきた男」と評された。
「五輪に行きてーなー、すげーなーとは思っていたけど、まさか自分がね。それまで新潟から誰も出たことがないのも知らなかったし」。憧れていたという五輪出場は、むしろ向こうから飛び込んできたようなものだった。

当時、五輪出場枠はアジアで各階級6人。韓国などの強豪に勝ち抜かなくてはならなかった。日本からただ1人アジア第2次予選...
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