
多くの観測機器を敷地内に備える雪氷防災研究センター=長岡市栖吉町
雪による災害や雪そのものの性質について研究する防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(雪氷研)=新潟県長岡市栖吉町=が、1964年の開所から60年を迎えた。豪雪地の生活を安全で快適にする目的で、降雪の観測や、吹雪や雪崩の予測など、幅広い研究を進めてきた。歩みを振り返る。
設立の契機となったのは、61(昭和36)年の「36豪雪」と63(昭和38)年の「38豪雪」だった。38豪雪では、平野部に多くの雪が積もる「里雪」が1カ月以上続き、国道や鉄道の不通が続くなど、甚大な被害を受け、雪害に災害救助法が初めて適用された。新潟県を中心とした雪国の各県が主体となって、雪害を克服するための総合研究所の設置を...
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