
そばを切る山下晶弘さん。明治期から続く味を守る=糸魚川市大町2
2016年12月に新潟県糸魚川市の糸魚川駅北側で発生した糸魚川大火から22日で8年となった。強い南風で勢いを増した火に包まれ、老舗や歴史的建造物を含む147棟を焼失した。焼け跡に再建した店の一つに、明治創業の老舗「そば処 泉家」がある。大火から1年3カ月後に再開した5代目の山下晶弘さん(69)らは「細く長く」を合言葉にそばや丼ものを提供し続けている。感謝の心を胸に。
火災は午前10時半前に発生。山下さんも、従業員らの知らせで100メートル以上離れた場所で建物が燃えていると知った。当初「自分の店まで火が及ぶはずがない」と思った。
しかし、吹き付ける南風は予想を超える強さだった。あれよあれよとい...
残り921文字(全文:1221文字)