
三面川鮭産漁業協同組合によるウライ漁。不漁は顕著で、捕獲数ゼロの日もあったという=村上市羽下ケ渕
新潟県内最大の鮭の産地、村上市の三面川で鮭の捕獲数が、不漁だった前年からほぼ半減、ピーク時の1割以下の3500匹程度にとどまる見通しとなった。2023年に卵を融通してもらった他の産地も不漁だったため、稚魚放流事業への影響は必至。25年春、放流できる稚魚は24年の5分の1以下となる恐れが出てきた。関係者は「(鮭が回帰する)4年後はさらに減るのではないか」と懸念を募らせる。(村上支局長・土田潤)
「『また、ことしもか』という感じだ。今後は鮭は幻の魚になるんじゃないか」。三面川鮭産漁業協同組合副組合長の平田茂伸さん(52)は諦め顔で語った。
同漁協が行い、川にすのこ状の仕掛けを設ける伝統の「ウライ漁」。約2カ月の漁期は12月15日に最終日を迎え、2000匹ほどで終わった。
最終日の朝は30匹ほどが上がったが、平田さんは「以前は1日に1000匹取れる日もあった。ことしはゼロの日が2、3日あった」と振り返り、厳しい表情を浮かべる。
他の漁を合わせ、同漁協が示す今季の推定値は3500匹。ピークだったおよそ10年前の10分の1以下となる。

捕獲数以上に危機的状況にあるのが、...
残り905文字(全文:1393文字)