20年以上町民をサポートしてきたNPO法人ねっとわーくさぷらいのメンバー=出雲崎町小竹
20年以上町民をサポートしてきたNPO法人ねっとわーくさぷらいのメンバー=出雲崎町小竹

 草刈りや高齢者の医療機関への送迎などを担う新潟県出雲崎町のNPO法人「ねっとわーくさぷらい」が、20年以上にわたって町民の多様なニーズに応え続けている。近年は空き家清掃やお盆の墓掃除といった町外者からの受注も増え、町に欠かせない組織となっている。

 12月上旬、出雲崎町内の民家で、さぷらいの5人が草木の冬囲いに精を出していた。「お客さんのありがとうが何よりの励み」「誰かの役に立てればいい」と作業に励む。これからの時季は除雪の受注が増えるという。

 冬囲いを依頼した女性(83)は「すぐに駆け付けてくれる組織が町内にあり、便利でありがたい。1人暮らしなので、せん定や除雪など、何でもお願いしている」と感謝した。

 さぷらいは町民生活の手助けを目的に、町民有志が有償ボランティアグループとして2003年に発足させた。06年に法人化し、2023年設立20周年を迎えた。現在のサービス内容は送迎、屋内清掃、屋外清掃、小木ノ城休憩所管理の4部門を設け、植木せん定、冬囲い、民家内の除雪など、多岐にわたっている。

 現在活動するメンバーは約50人の町民。利用する会員は、町内外合わせて480人ほどで、2023年度は延べ2232回の利用があった。出雲崎出身の町外者らから、墓掃除や空き家の清掃依頼を受けることもある。

 発足した背景には、人工透析を受ける町民が多くいたことがあった。町内には透析を行う医療機関がなく、...

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