
急速に進む少子化に対応するため、新潟県教育委員会が示した県立高校の将来構想案に関する県民説明会が終了した。今後10年で22校がなくなる計画に対し、県教委は「質の高い教育環境を提供して選ばれる学校づくりを進めていく」と理解を求めたが、参加者は統廃合の進展を懸念。公立に比べ学級減が少ない私立とのバランスを疑問視する声も上がった。県教委は説明会での意見なども踏まえ、将来構想を策定する方針だ。(報道部・林康寛)
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県教委は2016年に18〜27年度の将来構想を策定したが、次期将来構想を25年度からの10年間に前倒しする異例の措置を決めた。背景には想定を上回る少子化の影響がある。
県教委の試算によると、今春の中学校卒業者は1万8309人だったが、34年春には1万3928人に減少。およそ110学級分の生徒が減ることになる。次期将来構想案では県立高校数は25年度の86校から、34年度には22校減の64校になるとの見通しを明記した。
▽私立とのバランスに疑問視も
インパクトの大きい内容だけに、県教委は地域の理解なくしては進まないと判断。21日までに県内10カ所で説明会を開き、保護者や学校関係者、地域住民ら延べ約680人が参加した。

県教委は将来構想案として、学校規模を維持するために統合を進め、県内を六つに分けた各エリアに、1学年当たり4学級以上の普通科系高校を配置する方針などを説明した。
これに対し参加者からは「学校は都市部に集中して設置されるのか」(新潟会場)、「現在1学年1学級の学校は存続できる見込みはあるのか」(新発田会場)、「統廃合で学校の空白地域ができるが、県として通学支援は考えているのか」(長岡会場)と、不安に基づく質問が相次いだ。
県教委の担当者は、地理的条件や交通事情、残すべき小規模校などに配慮しながら「バランスよく配置していく」と強調した。
将来構想案では、15年春から25年春までで県立高の募集学級数が109学級減少する一方、私立高では2学級減にとどまっている現状にも触れている。
説明会の参加者からは「他県では公立と私立の比率を決めているところもあるので、私立との協議を進めてほしい」(新潟会場)、「県立高校として何を示して選ばれる学校をつくっていくのか」(上越会場)との要望や質問があった。
県教委側は、公立、私立の校長らでつくる「連絡協議会」などで少子化への情報交換を行い、共通の課題として話し合っていくと説明した。
このテーマについては花角英世知事も25日の定例記者会見で「非常に難しい問題だが、少子化が急速に進むという事態を私立の経営者にもしっかりと受け止めて考えてもらいたいという思いはある」と話した。
▽2025年3月に将来構想公表へ
県教委は、...