落石対策の工事が進められている「史跡佐渡金山」第2駐車場付近=佐渡市相川地区(県佐渡地域振興局提供)
落石対策の工事が進められている「史跡佐渡金山」第2駐車場付近=佐渡市相川地区(県佐渡地域振興局提供)

 2024年1月の能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。火災が相次ぎ、輪島市では市街地が広範囲で延焼した。で落石被害が発生した新潟県佐渡市下相川の観光施設「史跡佐渡金山」の駐車場について、県は2024年末までに尾根付近の岩を固定する作業をほぼ終えた。現場は、世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」の構成資産の範囲内にあり、観光シーズンは大勢が訪れる。安全確保と遺産の保全が求められ、県は25年度内の完了を目指し、対策工事を進めている。

 能登半島地震で佐渡市は震度5強を観測。史跡佐渡金山の第2駐車場では、隣接する斜面から、直径約1メートルの岩石3個が落下した。施設は耐震工事で休館しており、けが人はなかった。

 県佐渡地域振興局によると、岩石の一部は高さ約40メートルの尾根付近から落下していたとみられる。この尾根付近で24年6月ごろから工事に着手した。落下する恐れがある直径約7メートルの岩の塊などをモルタルやワイヤロープで岩肌に固定するなどの作業が24年末までにほぼ完了した。

 25年の春以降、斜面中腹にある岩を固定するほか、駐車場の隣接地に落石防護網を設置する予定だ。事業費は4億円になる見込みで、国と県が負担する。

 坑道の見学ができる...

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