定福寺で参拝者に渡される猫の御朱印。地蔵と猫のイラストを印刷した御朱印(手前中央)と、猫の形をした紙に直接描き入れた御朱印がある=田上町羽生田
定福寺で参拝者に渡される猫の御朱印。地蔵と猫のイラストを印刷した御朱印(手前中央)と、猫の形をした紙に直接描き入れた御朱印がある=田上町羽生田

 2月22日の「猫の日」を控え、新潟県の県央地区で保護猫と触れ合えるカフェに対する支援が目を引く。お寺の御朱印と菓子店のクッキーが、いずれも猫をモチーフにし、集まったお金を保護猫カフェへ寄付。関係者はカフェの経営を助けるとともに、保護猫への関心も高めてもらいたい考えだ。

 田上町の定福寺(羽生田)は、住職の妻、桑原桜里美(さとみ)さん(32)が参拝者向けに描くイラスト入り御朱印が人気だ。一方、町内の譲渡型保護猫カフェ「あおねこ」(川船河)の店主、五十嵐葵(あおい)さん(40)も趣味で絵を描く。2月に猫の日があることから桑原さんがコラボを申し入れ、2人のイラストを生かした御朱印を、2月中の参拝者に配ることになった。

 御朱印は2種類を用意する。1種類は縦長の用紙に、桑原さんがほほ笑む地蔵を、五十嵐さんがかわいらしい猫たちのイラストを担当して印刷。もう1種類は猫の姿に切り抜いた紙を用い、桑原さんと五十嵐さんが手分けしてイラストを直接描き入れる。

 御朱印1枚に対し、納めてもらう志納金は500円。定福寺は今回の企画では全額を「あおねこ」に寄付する。桑原さんは「2人で描くと表現の幅が広がる。私たち家族は猫好きだが、今は飼えない分、保護猫のために生かしてほしい」と語る。

 五十嵐さんによると、保護猫カフェは2023年春の開業後しばらくは話題になったが、次第に客足が遠のき、猫のための暖房費の高騰もあり、経営は厳しさを増している。「寄付してもらえるのはありがたい。御朱印をきっかけに保護猫へ関心を持つ人が増えるといい」と期待を寄せる。

 猫の御朱印を受け取り、あおねこへ来店した人には、猫への餌やりが1回無料になる特典がある。

むさしや菓子店が製造販売している「いぬねこクッキー」。売り上げの一部が保護猫カフェに寄付される=三条市本町2

 三条市の菓子店「むさしや菓子店」(本町2)は、猫と犬をモチーフにしたクッキーの詰め合わせ缶「いぬねこクッキー」(2500円)を1年ほど前から製造販売。売り上げの一部を地元の共生提案型保護猫カフェ「らっくら家(や)」(居島)に寄付している。

 むさしや4代目の牧野浩久さん(36)は猫好きで、21年オープンのらっくら家に通っていた。ある時、らっくら家店主の相田真祐(しんすけ)さん(44)が猫や犬のクッキー型を知人から譲り受け、それが常連客の牧野さんに託された。

 牧野さんは東京で約10年間、フランスで約1年間、洋菓子作りの腕を磨き、焼き菓子を得意とする。受け取った型はかわいらしい猫が座ったり、寝たりしている姿だ。クッキーは...

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