中子町有地売却に関する議案を否決した湯沢町議会の特別委員会=2月12日、湯沢町役場
中子町有地売却に関する議案を否決した湯沢町議会の特別委員会=2月12日、湯沢町役場

 新潟県湯沢町土樽で約30年間塩漬けにされている「中子町有地」の売却について、湯沢町議会中子町有地売却特別委員会が2月12日開かれ、町有地売却を反対多数で否決した。13日に臨時会本会議を開き、中子町有地の売却を採決する。特別委は議長を除く全議員で構成しており、本会議で可決されるのは厳しい状況だ。町は中国の総合食品メーカー「ワンワングループ」の関連会社と仮契約を結んでいた。

 採決の結果は賛成1、反対6(欠席2)だった。

 中子町有地は約5万7千平方メートルで、関越道湯沢インターチェンジから約1キロの好立地。旧ノリタ光学のガラス製造工場の跡地で、同工場の撤退後、1995年に町が約12億3千万円で取得した。土壌汚染対策工事費など総額18億円以上投じたが、約30年間活用されていなかった。

 町は2024年10月、土地の有効活用を図る目的で公募型プロポーザルを実施し、ワンワングループの関連企業で、かつて湯沢パークホテル(湯沢町土樽)を運営していた「サクセスリゾート越後湯沢ホテル」(東京都千代田区)のみが応募した。

 町の幹部職員と識者らでつくる選定委員会が事業計画を審査し、合格と判断。町は売却価格2億2100万円でサクセス社と、2025年1月23日に仮契約を結んだ。

 12日の特別委では町側が、ワンワングループから出された「プロジェクト推進を全力で保障する」といった趣旨の「支援確約書」と、同グループと技術提携を結んでいる岩塚製菓(長岡市)がサクセス社の事業の実施を「全面的に支持する」などとした「意見書」を提出した。

 委員からは...

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