サッカーJ1アルビレックス新潟は、2025年シーズンの開幕戦2月15日まで1週間を切りました。樹森大介監督が新たに就任し、例年以上に選手の入れ替えもあった今季。新潟日報では宮崎県の1次キャンプから、アルビ担当記者が現地に入り、紙面に記事を掲載してきました。ウェブ版の「新潟日報デジタルプラス」ではより詳しく、監督や選手の声、練習中の真剣な表情からふと見せる素顔の写真まで、皆さんに伝えています。

 今回、総仕上げの高知キャンプでも再び現地での取材を敢行。その様子をお届けします。

開幕の横浜M戦のキックオフまで…

残り00時間0000

◆本日2月13日は非公開練習です。

 開幕2日前にキャンプリポートがないのも寂しい…。ということで、高知県出身の吉本岳史ヘッドコーチに聞いた高知グルメを実際に食べた話を、今更ですが、お伝えします。…もちろん、ちゃんとサッカーの話も。昨日12日の練習後に聞いたFW矢村健選手とMF高木善朗選手の話を、後半にお届けします。

◆高知のことなら、この人に聞いてみよう

吉本岳史ヘッドコーチ

 アルビレックス新潟がキャンプ地としている高知県。地元グルメといえば、カツオのたたきが全国的に有名ですが、他にはどんな名物があるのでしょうか。実はアルビには高知県出身者がいます。今季就任した吉本岳史ヘッドコーチです。こっそり教えてもらった名物を、実際に食べてみました。

幻の魚「メジカの刺身」

 「メジカの刺身がおいしいね。旬じゃないかもしれないけど」

 吉本ヘッドコーチが最初に挙げたのは、メジカと呼ばれる魚。初めて聞いた名前でした。調べてみると、マルソウダというサバ科の魚で、カツオの仲間らしい。飲食店が連なる「ひろめ市場」(高知市帯屋町)=下の写真=で、提供されているか尋ねてみました。「今はないですね」「季節が違うなぁ」「足が早いから、うちはやらない」と、いずれも空振りに終わりました。どうやら8月から9月のごく短い時期にしか獲れず、一部では「幻の魚」とも呼ばれているそうです。またいつか、旬の時期に挑戦したいです。

多くの飲食店が集まる「ひろめ市場」の入り口

「海のギャング」ウツボのから揚げ

高知グルメの「ウツボのから揚げ」

 次におすすめしてもらったのが、ウツボのから揚げ。ウツボといえば、「海のギャング」の異名を持つ魚。鋭い歯を持ち、暴れると手に負えない。正直なところ、食べづらそうなイメージがあります。しかし、実際に口にしてみると、身が驚くほどふわふわしている。風味はフグのから揚げに近いかもしれない。いかつい見た目とは裏腹に、味は優しい。そのギャップも相まって、すっかり気に入ってしまいました。

高知のご当地ラーメン「鍋焼きラーメン」

 吉本ヘッドコーチによると、高知にはご当地ラーメンもあるという。その名も「鍋焼きラーメン」。高知市内を歩くと、確かにあちこちで看板を見かけます。発祥は高知市より西にある須崎市で、漁業が盛んな地域。名前の通り、土鍋に入った状態で提供されるラーメンで、スープは鶏ガラベースにニンニクが効いている。見た目はガッツリですが、実際にはあっさりとした味わいで食べやすい。トッピングは店によって異なるが、卵やちくわが入っていることが多いようです。そういえば、ちくわにきゅうりを詰めた「ちくきゅう」というおつまみも、メニューでよく見かけます。高知県民はちくわ好き?

甘じょっぱさがクセになる「いも天」

高知グルメの「いも天」。揚げたては熱くて持ってられない

 教えてもらった名物の中には、甘いものもあります。サツマイモに衣をつけて揚げた「いも天」。吉本ヘッドコーチいわく、「塩で食べるとうまい」。高知市内で毎週日曜に開かれる「日曜市」で人気を博したとのこと。平日に専門店を訪れると、閉店前にはすでに完売しているほどの人気ぶりでした。塩は後からつけるのかと思いきや、最初から振りかかっていました。しょっぱさと甘さが絶妙に融合し、とにかくおいしい。食べ過ぎると確実に太るやつ。衣にも味がしっかりついているので、冷めてもおいしそうです。

幅広い高知グルメ

高知グルメの「土佐巻き」。カツオのたたきと、大葉、ニンニクなどを巻いている

 このほかにも、カツオのたたきをニンニクや大葉と巻いた「土佐巻き」も絶品。定番のカツオのたたきも、生のニンニクと一緒に食べるよう店員に勧められ、その結果、すっかり口と体はニンニクに染まってしまいました。取材の合間ではありましたが、高知グルメの奥深さを実感できました。気になる名物はあったでしょうか?

「かつおのたたき」。醤油はつけないでニンニクと一緒に食べる

失礼しました。サッカーの話に戻ります。

◆ぶれずにゴールを狙い続けるFW矢村健

(いよいよ開幕が迫ってきました)

練習試合でゴールも取れているし、シュートだったり、感覚の良さだったりっていうのは出ています。つくりの部分はもう少し絡んでいけたりとかしたらいいなっていう風には思いますけど、大前提はゴールで、自分の中で1番大事。求められていることだと思います。

(矢村選手が取材を受ける機会も多く、注目度の高さを感じますが)

いや、今はされてても、試合で活躍できなかったら意味ないと思うので。いかにピッチでそれを表現できるかが、チャレンジというか、大切なことだと思います。

(昨季は16得点を挙げました。何か感覚の変化が)

いや特に、もともと持っているものはあったし、しっかり準備してきたりとか、やるべきこととしっかり向き合ってきて継続してきたからこそ、結果もついてきたと思います。最初の方は取れなくて、それでも狙い続けられるかっていうところは、その時の課題だったし。逆に夏以降、マークされるようになった中で、どれだけ点取れるかっていうとこで数字を伸ばせたっていうところは、心技体ともに全てが成長できたのかなと思います。

(いろんなアタッカーと組んで、新加入のミゲル選手とかはいかがですか)

ボールを持って時間を作れるタイプ。自分の好きなタイミングでスルーパス受けていいよっていう感じもしますし、割とサイドに寄ったりとかボールを受けるのが好きなので、そういうところは任せて、ゴール前で勝負しやすいっていうところはあります。逆にゴール前になった時にはワンツーで入ってきたりとか、スルーパスっていうのを持ってる選手なので、そこはお互い見ながら、距離感縮めてやっていければいいなと思っています。

(去年の数字を超えたいっていうのはありますか)

そんな簡単に超えられるものではないと思うし、カテゴリーももちろん違うし、そこはあくまでも結果ですし、自分の中で数字というよりは、しっかり1点1点積み重ねて、自分がやるべきこと、ゴールだけじゃなくて守備の運動量だったりとか。もちろんゴールは視野に入れますけど、しっかり1点ずつしっかり積み重ねた結果が、去年を超したり、二桁に乗せたりとかつながればと思います。

(樹森監督からは裏に抜ける意識を求められている)

もちろん裏狙うっていうのは元々、自分の特長でもあるし、抜け出しっていうところは監督も求めているとこだったので、そこはうまく噛み合った部分ではある。その中でもどう抜けてほしいとかっていうのは試合によって、相手によってだとは思うんですけど、抜け出しっていうところでもう1個成長できればいいかなと思います。

(マリノス戦に向けては)

勝利に向かって、競争ももちろんそうですけど、コンディションだったりとか、勝つためのメンタリティーってところ、しっかり全員が整えて。キャンプが続き、アウェーの連戦ですけど、しっかり1日1日を大事にして。開幕ももちろんそうですけど、その日の練習だったり、次の日の練習っていうとこにしっかり目を向けて、ケアだったり、準備だったり、それぞれが取り組めればいいかなと思っています。

◆キャンプリポートに満を持して初登場のMF高木善朗

(樹森監督になっての変化を分析していただこうかと…)

いや、そんな話せることはないっす(笑) まあ、去年の反省というか、足りなかったところをちょっと突き詰めてる感じはありますけど、そればっかりになってしまうと、やっぱりこう良さも失ってしまうので、多分監督もかなりバランスを意識しながら、指示はしてるかなっていう感じはします。

(監督も、みんな感度がいいから言ったことがダイレクトに伝わりすぎると)

そうですね。そこは新潟っていうクラブの良さでもあり、ちょっと弱点でもあるかなと思ってます。みんな言われた通りにやってしまうので、相手が変えた時に、即興で対応できる選手が少ないっていうのがやっぱ事実かなとは思いますけど。

(即興で対応するっていうのは相当難しいこと)

でも、やっぱりそういう選手が1人いれば、みんなにこう伝えられると思うし、大事かなと思います。

(監督に現役時代どんな選手だったかって聞くと、高木選手と似ていると)

はい。1番最初に会った時にその話をされたんで。その感覚は近い...

残り2517文字(全文:5965文字)