
新潟漁業協同組合出雲崎支所で、組合員数と漁船数の減少が続いている。出雲崎町は、人口減少に伴って漁業者が減っていることや、燃料費などの高騰が担い手不足につながっているとし、基幹産業である漁業の存続を懸念している。漁業者からは「魚価が下がり、もうけのない状況では仕方ない」と、ため息が漏れる。
出雲崎町、柏崎市西山町の漁業者らでつくる新潟漁協出雲崎支所では、組合員数が30年以上にわたって減少し続けている。2024年の組合員数は32人で、49人いた10年前の14年から17人減っている。漁業関係者によると、平均年齢は70歳代で、後継者の確保も難しいという。
漁船数も減少し、13年に86隻だった漁船は、23年には58隻となった。6トン以上を漁獲する漁船は10隻から7隻に減った。10年前は349トンだった漁獲量も、23年は183トンまで落ち込んだ。漁獲額も2億1593万円から減少し、1億4172万円となっている。
漁業を営む出雲崎町羽黒町の坂下博孝さん(61)は江戸時代から代々続く漁師の15代目だ。組合員数が減少していることについて、「代々漁師を受け継いできたが、子どもは会社員で、自分が最後になる。燃料や船の維持管理にも費用がかかり、もうけのない厳しい現状では仕方ない」と受け止める。

出雲崎町は漁業者を取り巻く厳しい状況を踏まえ、魚を入れる箱代や氷代を補助している。新潟漁協出雲崎支所への支援、漁協が毎年開催するイベント「大漁さかなまつり」の費用補助なども行っているが、担い手不足に歯止めはかかっていない。
町は25年度の一般会計予算案で、新潟漁協出雲崎支所がある町漁村センターの空調設備改修費用に86万円を計上...
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