聖籠町の死体遺棄事件で会見を開く(左から)仙田嘉昭・新潟署長、阿部吉晴・刑事部長、阿部昭・捜査一課長=2月25日午後2時すぎ、県警本部
聖籠町の死体遺棄事件で会見を開く(左から)仙田嘉昭・新潟署長、阿部吉晴・刑事部長、阿部昭・捜査一課長=2月25日午後2時すぎ、県警本部
敷地内から遺体が見つかった空き家=新潟県聖籠町

 新潟県聖籠町次第浜の空き家敷地内の土中から新潟市中央区の無職男性=行方不明時(78)=の遺体が見つかった殺人・死体遺棄事件で、新潟署捜査本部は2月25日、死体遺棄の疑いで阿賀町のリフォーム業小山大輔容疑者(33)を逮捕した。認否は明らかにしていない。

 逮捕容疑は2024年10月26日、空き家敷地の土中に、男性の遺体を埋めて遺棄した疑い。

 25日、県警本部で開いた記者会見で阿部吉晴刑事部長は、男性が死亡したのは「同月中旬ごろ」と説明した。ただ、容疑者と空き家との接点や共犯者の有無、遺体を遺棄した詳しい経緯などについては「捜査で明らかにする」と述べるにとどめた。

 捜査本部はこの日、容疑者が昨年10月、知人で山形市の無職伊藤貴章容疑者(32)と共謀し、男性の印鑑や通帳を使い、男性の銀行口座から3回にわたって現金計約345万円を不正に別口座に移したとする詐欺の疑いで逮捕、起訴されていたことも合わせて発表した。

 関係者によると、小山容疑者は昨年、男性宅の改修工事に携わり、知人関係にあったとみられている。県警は容疑者が男性の死亡の経緯を知っているかどうかについても慎重に調べるとみられる。

 男性殺害について阿部刑事部長は「(殺人容疑については)特定の容疑者を断定したわけではなく、さまざまな可能性を視野に捜査を進める」と述べた。

 男性は昨年10月中旬に行方が分からなくなった。県警は昨年12月16日、次第浜の空き家敷地内で男性の遺体を発見。司法解剖の結果、男性の死因は頸部(けいぶ)圧迫による窒息死と判明し、他殺と断定した。

◆容疑者逮捕に近隣住民「ひとまず安心」「全て解決してほしい」

 新潟県聖籠町次第浜の空き家敷地内から男性の遺体が見つかった事件は2月25日、死体遺棄の疑いで容疑者の男が逮捕された。遺体発見から2カ月余りの間、不安にさらされていた現場周辺や被害者宅の近隣住民は安堵(あんど)し、全容の解明を願った。

 空き家の近くを散歩していた70代男性は「逮捕されてひとまず安心」と話す一方、殺害された経緯など「まだはっきりしていないことも多い。全て解決してほしい」と期待した。近所に住む70代女性は「(事件発覚から)2カ月が過ぎ、早く逮捕されないかと不安だった」と明かし、「なぜ次第浜の空き家に埋めたのか不思議だ」とつぶやいた。

 被害者男性の自宅がある新潟市中央区の自治会長を務める男性(82)は「警察が一生懸命捜査してくれた。ほっとしている。二度とこのような事件が起きないよう、自治会としても防犯活動を強化したい」と話した。