自宅書斎で資料を手にとる蒲原宏さん=2016年、新潟市中央区
自宅書斎で資料を手にとる蒲原宏さん=2016年、新潟市中央区

 3月3日に101歳で亡くなった元新潟県立がんセンター新潟病院副院長の蒲原宏さんは、医学史研究や俳人としても第一線で活躍した。真面目で率直な人柄で、語り口はユーモアにあふれ、多くの人に慕われた。関係者は「業績は計り知れない」と悼んだ。

 新潟市中央区の西堀通りにある蒲原浄光寺の長男として生まれた。新潟大学医学部の前身に当たる新潟医科大学医学専門部卒業。太平洋戦争中は海軍軍医を務め、戦後は整形外科医として県内医療をリードした。

 医学史研究でも知られ、「整骨・整形外科典籍大系」「新潟県医学史覚書」など多数の著書がある。90歳を超えても、新潟大医学部の1年生に医学史の講義を行っていた。

 医学部出身の牛...

残り419文字(全文:719文字)